2009年8月26日水曜日

「カムイ伝」,「カムイ外伝」という,とらえようもない大きな物語

こんな話から始めるとまたオヤジと言われそうだけれど,
白土三平氏の忍者劇画「カムイ外伝」が22年ぶりに
連載再開なのだそうである.
実は,こっそり楽しみにしていたりする.

大学4年生の学生の歳が,だいたい22歳なので,
以前の連載は生まれた頃ということになる.
ずいぶん気の長い話である.

白土三平氏といえば,「影丸」や「サスケ」などの
忍者漫画で有名だけれど(えっ,知らない?),
やはりなんといっても「カムイ」である.

「カムイ」というと,「カムイ伝」と「カムイ外伝」がある.
ずいぶん漫画を読んでいるけれど,「カムイ伝」は
いまだに良く理解できていないような気がする.
「サスケ」などの忍者活劇とは全く違う,
いろいろな階級に属する人間たちの群像劇と
なっている.
無情にも人が殺されていく.
社会や身分制度などの矛盾に苦悩し,
それでも必死に生きていく.
そんな社会派劇画なのである.
(そして,時に動物劇画)

学生運動が盛んだったころに
人気があったというのもうなづける.
第一部の連載開始は1964年というから,
私でさえ生まれる前の話である.
第二部は,1988~2000年の連載で,
こちらの方は,少し読んでいたような気がする.
やっぱり難しかった印象がある.
(白土氏も70歳を越えているから,
第三部はどうなるのかな...ちょっと心配)

それに比べて,「カムイ外伝」はまだ分かりやすい.
テーマが個人の心の中の葛藤だからであると思う.
今年映画が公開されるけれど,
映画にするならばやっぱり「外伝」の方である.
カムイが身を隠していると,
事件が起きて,それを通して人々が,そして
カムイがつらく悲しい体験をする.
そしてまたカムイが去っていくしかなくなる...
内容はやっぱり渋くて,
読後感も,じっとかみしめるタイプのものである.

全然,説明が要領を得ていないって?
私のように理解できていないものが
説明しようというのがそもそも無理なのだ.
とにかく一度目を通されることをおススメする.
特に今の漫画に慣れきっている人たちへ.
こんな漫画も存在するのである.

*****

本当はカムイの必殺技について
書こうと思っていたのに,ここまでの枕の部分で
もう力尽きてしまった...

「夙忍法飯綱落とし」が,
ベリー・トゥ・バックのスープレックス
(つまりはバックドロップということ)
であることや,「夙流変移抜刀霞切り」については
また機会をあらためて.

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