2009年8月20日木曜日

読書感想文の書き方

最近,このブログへのアクセスが急激に
増加している.
日頃の3倍くらいの訪問者がある.
不思議に思って少し調べてみると,
「老人と海」,「読書感想文」という
キーワードで検索している人が
たいへん多かった.
以前に,「老人と海」の読書感想文,という
記事を書いたので,それでこのブログの
アクセス数が増えていたのである.
すなわち,夏休みも終盤になり,
多くの学生が読書感想文に苦労している
ということなのだろう.
なぁ~んだ,ということで少しがっかり.

読書感想文の書き方といえば,

  1. 本のだいたいのあらすじの紹介,
  2. 本の登場人物の言動に思うこと,
  3. 自分だったらどうする,登場人物と自分との比較

なんてことを書くのが常道で,
私は,本当につまらなく思っていた.
だいたい,読書感想文の書き出しといえば,

"登場人物はこのときこうした"
その場面を読んだ時,私は~だと思った.
普段の私だったら...(以下略)

みたいな感じで,いかにもウケ狙いな作文が多い.
今だったら,絶対そんな風には書きたくない.
そんな文章,読みたくもない.

じゃぁ,今だったらどうするか,と聞かれると
困るのだけれど,例えばこんな感じかな.

小説の中には,作者の考え,思いが,
登場人物の言動となってあらわれている.
主人公だけではなく,すべての登場人物に
作者の意図が含まれているのである.
そのうちのホンの一握りの行動,言葉でもいい,
そのことに含まれる作者の意図について
自分の思索をまとめるのである.
感想なんて書きたくもない.

読書感想文は結局のところ,本の紹介文(書評)ではなく,
自己紹介文なのである.
自分が思ったことを,細かくていいから,
深く掘り下げて書いてみたい.
本の内容は,その思索のきっかけに過ぎないのである.

まぁ,そんな書き方をしたら,先生からは白い目で見られるだろうし,
読書感想文コンクールになんて到底通らないだろう.
それでも通り一遍の読書感想文よりは
ずっと面白いものができるはずである.
少なくとも,私はそうした文章の方を好んで読む.

(まぁ,私が好むからといって,どうというわけでもないけど.
この記事のように作文を書いたとしても,責任は一切とれません...
この文章を書いていて,就職活動の自己紹介文のことを
思い出した.「カキフライ理論」と同じことなのだと思う)


2 件のコメント:

  1. 思い出します。小学生の頃、「砂時計」という短編で、毎年感想文を書いていました。

    話の内容は忘れましたが、どんなことを書いていたのかも忘れました。当然。

    で、ふと、最近、読書感想文を書いてコンクールに応募したら、金賞を受賞してしまいました。

    何が良かったのだろうか・・・。

    >自己紹介文なのである.
    >自分が思ったことを,細かくていいから,
    >深く掘り下げて書いてみたい.

    本当にそうですね。子供に求めるのは難しいが、大人ならばそういう観点で書けるでしょう。

    金賞をいただいたときは、本に書いてあったアドバイスのうち、心に響いたことをキーワードで抜きだし、自分の体験に照らし合わせて、こういうことか! それも、本に書いてあるアドバイスを実行したらこんなことがあった、ということを書いたのだと思います。つまりは自己奮闘紹介文。

    あらすじを知りたければ書評を読めばいい。基本的に小説なんて、話が面白いように、主人公は変な行動をとるわけですから、私ならこうする、というのは無意味な気がしますね。

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  2. Asanoさん,どうも有難うございます.
    さて,「砂時計」というのはどのような物語なのでしょう.なんか興味が湧いてきます.毎年同じ作品の読書感想文だったのですか?そうだったとしたら,それはまたすごいですね...

    さて,最近読書感想文で金賞を受賞されたとのこと,本当に素晴らしいですね!実はこっそりネットで調べて拝読させていただきました.やっぱり,ただの書評でもなく,ただの感想文ではなく,Asanoさんの生活から生まれた実感が生き生きと書かれてあり,思わずふむふむとうなづきながら読んでしまいました(ハッ,これではAsanoさんの読書感想文の感想文ではないか...)

    なによりもAsanoさんのチャレンジ精神に感服いたします.私もなにか新しいことを始めてみようかな...

    今後ともよろしくお願いいたします.

    返信削除

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