2010年7月9日金曜日

なぜいま西原理恵子なのか

先日,所用のため早めに帰宅したら,
子供たちがテレビを一生懸命見ている.
放映されていたのはアニメで,
画風が柔らかめになっているけれど,
西原理恵子氏のマンガに似ているなぁ,と
思ったら,なんとほんとに西原氏のマンガ,
「毎日かあさん」だった.
彼女のマンガがこんな時間に
放映されているなんて!とびっくりするとともに,
日本の視聴者の成熟に感心する.
(20年前にはこんなアニメ許されなかっただろうに)

そういえば,最近西原氏の作品が
続々と映画化,テレビドラマ化されている.
つい先日には,小泉今日子,永瀬正敏の共演で(!)
「毎日かあさん」の映画化が発表された.

この前は「パーマネント野ばら」,
「いけちゃんとぼく」あたりが映画になっていたし,
今日からは「この世で一番大事な「カネ」の話」が
テレビドラマとして放映されるらしい.

しかし,なぜ今,西原氏なのか.
私ももちろん彼女の作品は大好きで,
「まあじゃんほうろうき」なんて,
大学時代(だったかな?),麻雀マンガ雑誌で
(たぶん近代麻雀ゴールドかオリジナル?)
いつも楽しみに読んでいた.
(あの頃,マンガ雑誌という雑誌を多数読んでいたなぁ)

彼女の作品の魅力は,ギャンブルなどに堕ちていく
ダメ人間の姿が,本当に人間臭く,そして悲しくて滑稽に
描かれているところである.
もちろん,せつない作品もたくさんあって,
最近文庫化された「ぼくんち」なんて,
ぜひ読んで欲しい.
読んでいて胸がつまるとは,
こういう切なさをいうのだろうとシミジミ思ってしまうのである.

そこに描かれる人間,生活は
決してワインや宝石に彩られたものではなく,
「しょうがないなぁ」と思いつつも愛着を感じる
私たち庶民のものである.
(西原氏はワインが大好きみたいだけれど)
悲惨な状況(好きになった女の子が薬のやりすぎで
泡吹いて死んでしまうとか,あるいは好きになった女の子の
家庭が暴力で大変な状況であるとか)でも
笑いと優しさを忘れることのない,
芯の強さが彼女の作品にはある.

こうやって書いてみてもまた作品が読みたくなる.
そして彼女が描く人間の強さみたいなものが
いま求められているのかも.

彼女のブログも楽しくて,ついつい見に行ってしまうくらい.
今後も彼女の作品がどんどん人気がでればいいなぁと
私は密かに思っているのである.

#しかし,毎日かあさんの内容はいったいどんなものなのだろう.
子供たちが見ていて大丈夫なのか,少し心配(笑)

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