2010年7月25日日曜日

バンクーバー出張の機内で映画を5本観た

以前にも書いたことがあるけれど,
現在,1年で一番数多く映画を観る機会は,
海外出張の機内である.
昨年のサンノゼ出張では,往復で8本観たけれど,
今回は残念ながら体力がなく,5本を観るにとどまった.

今回,バンクーバーへはシアトル経由で入ったので,
映画を観たのは,関西空港/シアトル間の機内であって,
正味40分くらいの飛行時間しかない
シアトル/バンクーバー間では居眠りする間もなかった.

関西空港/シアトル便は,ボーイング767で,
なんと映画は共通のディスプレイを観るという,
映画館式,いやそんな大画面ではないから,
観光バス式といったところか.
もちろん,昔ながらのブロードキャスト式で,
流されてくる映像をじっと見るしかないのである.
とにかく見にくくて,疲れてしまった.

それでも,なんとか往きに2本,帰りに3本を観た.
これまで同様,感想をそれぞれ以下にまとめてみる.

"The Bounty Hunter"
もしかするとまだ日本では上映されているかも.
少し前までテレビでCMも流れていた.
元警官で今は賞金稼ぎとなった男が,離婚した元妻(J.アニストン)が
5000ドルの賞金首となったために,彼女を刑務所に連れて行こうとする.
しかし,彼女は彼女で警官の汚職事件に巻き込まれていて,
事態はいつの間にか複雑なことに...というお話.
つまりはラブ&コメディーである.全然ミステリーではない.

とにかく,Jennifer Anistonの魅力を楽しむ.
それ以上でもそれ以下でもない映画.

これまで彼女の主演映画を観たことがなかったけれど,
いやぁ,素晴らしい.彼女はチャーミングだなぁ.
一度観ただけでメロメロになってしまうくらい魅力的.
もう40歳だなんて信じられない.
話は単純だけれど,全然問題ない.
女優の魅力だけで1本映画が出来る.
それを証明した映画.
採点は星4つ(5つが満点).★★★★☆

"Alice in Wonderland"
現実世界で人生の選択を迫られている大人のアリスは,
ウサギのあとを追って不思議の国に紛れ込む.
そこではアリスは不思議の国を支配する赤の女王を
倒すことになっているというのだが,
それが自分だとは思えないし,これは夢の世界だと信じて
とても戦えないと思う.
しかし,マッドハッターなどと一緒にいるうちに,
アリスの中でなにかが変わっていく.

話は本当に単純.
結局,ひとりの少女の成長譚になっているわけで,
これもストーリーというストーリーがほとんど無い.

Tim Burtonが好きな人ならば,アリスという題材を使って
彼の世界を表現したこの映画は,ぜひ見ておくべき,
とは思うのだけれど,それほど好きでない人であれば,
そんなに無理して観なくてもいい映画のような気がする.

しかし,Tim Burtonが描く世界は,なぜここまで
可愛くて,残酷で,エロティックなのだろう.
不気味可愛さ全開である.
安心して見ていられない.
心が引っ掻かれる感じ.
しかし,目を離すことができない.
そのうち,そのグロテスクな世界が美しく感じられるように
感化されてしまう.
そうなってしまえば,あなたもTim Burtonファンである.
そうした世界に魅力を感じるならば,一見の価値あり.
採点は星3つ(5つが満点).★★★☆☆

#音楽は,相変わらずのダニー・エルフマンなのだけれど,
今回はあまり印象的ではなかったような...
いや,視聴環境があまりに悪かったせいかもしれない.

往きの機内では以上の2本だけしか観られなかった.
4本上映されたのだけれど,
3本目の"Invictus",4本目の"The Informant!"
疲労のため,残念ながら観ることができなかった.
(なんたって,その日は3時限目まできっちり
働いてから空港に向かったのだから)
どちらもマット・デイモンの主演で,
かたやクリント・イーストウッド,もうかたやは
スティーブン・ソダーバーグ監督で,
ぜひ観たかったのだけれど...
まぁ,次の楽しみにしておこう(涙).

さて,復路で観たのは次の3作.

"The Ghost Writer"
ユアン・マクレガー主演,ロマン・ポランスキー監督.
もうこのCastだけで,ワクワクする.
ポランスキー監督らしい暗い画面とストーリー展開.
私はこうした映画が大好きなのである.

前任者の急死によって急遽
前英国首相の自叙伝を引き受けた
E.マクレガー演じるゴーストライター.
しかし,前首相のすぐにスキャンダルがあばかれ,
それにゴーストライターも巻き込まれていく.

E.マクレガーはやっぱり素晴らしい.
彼が演じる繊細な心の動きが私を惹きつける.
真面目で,正義感もそれほど強くない,
いわば日陰者であるゴーストライターが
少しずつ真実に近づいていく.
その過程の緊張感がすごくいい.
また,前首相をピアース・ブロスナンが演じているのだけど,
なかなかいい味なんだなぁ.
もう一度観たいと思わせる秀作.
採点は星4つ(5つが満点).★★★★☆

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実は,次に"Valentine's Day"という映画を観始めたのだけれど,
もうつまらなくて(すみません,こうしたラブストーリーは苦手です),
途中で寝てしまった...
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"When in Roma"
ローマのトレビの泉で拾ったコインのために,
主人公のキャリアウーマンが巻き込まれる
ファンタジードタバタラブコメディー.

主演はKristen Bell.
恥ずかしながら私はこの女優を初めて知った.
う~ん,微妙.
この映画もKristen Bellの魅力で持たせようとしたものなのだけれど,
"The Bounty Hunter"に比べると全然及ばない.
最後まで観ることはできたのだけれど,
ストーリーも女優も私の趣味ではない.
採点は星2つ(5つが満点).★★☆☆☆

"Harry Potter and the Half-Blood Prince"
言わずと知れたハリー・ポッターシリーズ最新作(なのかな?).
私は,「アズカバンの囚人」以来,全く原作も映画も
追っていないので,どうなっているのか全然わからない.
まずは,登場人物のみんなが大人なのでびっくり.
まぁ実世界では歳を取らざるを得ないので,仕方がないけれど,
主演のダニエル・ラドクリフ君をはじめ,
ハーマイオニー役のエマ・ワトソンも,青春高校生ものの
ドラマの方がずっと似合っている気がする.
話の方は...もういいか(笑).
私的には,「やっぱり」という感じの結末.
この後の展開が気になる~.
子供たちと一緒に観に行きたいなぁ...
採点は星3つ(5つが満点).★★★☆☆

復路のキャプテンはサービス精神があって,
ハリー・ポッターをギリギリまで見せてくれた.
エンドロールがでたと思ったら,衝撃が来て,
飛行機がランディングしたことに気づいた.
いやぁ,ありがたい.
最後まで見れなかったら,もう気になって,気になって(笑).
よかった.すっきりできて.

次に映画を観ることが出来るのはいつかなぁ.
しかし,映画を観るのが体力勝負になってしまった.
いつかゆっくり大きな画面で観てみたいなぁ...

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