カール・ゴッチといえば,私たちの世代にとっては,
「プロレスの神様」である.
私のようにプロレスに興味がなかったものでさえ,
その存在の大きさを知っている.
彼が猪木やUWFを中心としたレスラーを通じて
日本のプロレス界に与えた影響は
計り知れないほど大きい.
とはいえ,現在の若者で彼を知っているものは
少ないだろうと思うけれど.
マンガ「修羅の門」で,フランク・クラウザーのモデルとして
少し知られているかもしれないが...
(「修羅の門」だって,最近連載が再開されたけど,
もう10年以上も前のマンガなんだし)
彼は,いわゆる「蛇の穴」の出身で
(有名なプロレス道場.タイガーマスクの
出身が「虎の穴」というのはここに由来)
キャッチ・アズ・キャッチ・キャンというスタイルの
レスリング(関節技が多様)を行っていた.
プロレス界におけるジャーマンスープレックスホールドの
創始者といわれている.
(技自体は,ベリー・トゥ・バックのスープレックスとして
昔からある)
彼は格闘技としてのプロレスを追究していたようで,
24時間,どうやったら人を素手で殺せるかをずっと
考え続けていたといわれている.
彼には名言・金言が多いのだけれど,
私が大好きなのは次の言葉である.
これは,彼の弟子の一人である藤原喜明の
関節技の本(昔はそういう本も買っていた)に
紹介されていたものである.
(ちょっと詳細は忘れているのだけれど)
「大工はノミを磨き,石屋はハンマーを磨く.
君は身体を鍛えなさい.なぜなら君はレスラーだからだ」
専門家たるもの,仕事のためのツール,技術を
磨くことは最低限のことである.
しかし,ともするとそれを忘れてしまうことも多い.
私の仕事にとって,そのツール・武器とはなになのか.
そう考えれば,自ずとなにをすべきかが見えてくる.
#おまけの話をいくつか.
ゴッチは,格闘技にはチェスプレイヤーのような頭脳が
必要だと言っている.
それだけの頭脳を使って,格闘技を行っているものが
どれだけいるのだろうか...
ゴッチは,靴ひもを20分かけて結んでいたと言われる.
靴ひもの重要性を考えれば,それだけの時間を
かけても惜しくはないということだろう.
では,私はなにに時間をかけるべきか.
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