2011年2月23日水曜日

車を運転するという有能感が暴力性を引き出す

私が短気なのはもとからなのだけれど,
運転中は,ついつい腹を立ててしまうことが多い.
とはいえ,私は危険運転はしない.
感情的になってもスピードを出したり,
ハンドルを急に切ったりすることはない.
いつもより慎重になるくらいである.
それが少し自慢である.

しかし,世の中には危険運転が多い.
運転マナーの悪い車が多い.
それに腹を立てるのである.

運転席の窓ガラスを開けて,
たばこの吸い殻を投げ捨てる車.
列に並んでいるのに,
平気で割り込んでくる車.
本当に腹が立つ.

腹が立つのは,そのマナーの悪さに
原因があるのだけれど,
そうした人たちが,車に乗っているときだけ
傍若無人の振る舞いをする,ということが
気に障るのである.

車に乗っていない場合に,
同様にどこかで人が立ち並んで
行列を作っている時,
彼(彼女)は,その行列に堂々と
割り込んでくるだろうか.

車を降りているときでも,
同様にマナー悪く振る舞うのであれば,
それはその人の性格だから,
仕方ないと思い,腹はあまり立たない.
しかし,車に乗っているときだけ
急にマナーが悪くなるような人間であったら,
もう,本当に腹が立つ.

ジャイアンが乱暴なのはもともとだから,
まぁ,腹の立ち方は少ないけれど,
スネオやのび太が,金や未来の道具を使って
乱暴に振る舞うのであれば,
腹が立つ,ということなのである.

車に乗ることによって,有能感を持ち,
それによって,いい気になって
傍若無人になる,という種類の人間が大嫌いなのだ.

しかし,こうした心の傾向は多くの人に
見られるものである.
合気道の稽古では,剣や杖を武器として用いるけれど,
木刀を腰に持っただけで,目つきや態度が怖くなる人がいる.
木刀を持つということが,彼に有能感を与え,
心の暴力性を引き出すのである.

ナイフを隠し持っている人は,
いわんをや,である.
(一時期,中高生のバタフライナイフの話題があったけれど)

ジャイアンタイプの人が決して許されるわけではないが,
そうした無法な行為がケンカにつながり,
自分が痛い目に遭う可能性があるという,
そのリスクをその人はある程度覚悟している.
しかし,マナーの悪い運転者は,そうしたリスクを
考えていない.
茨城県で無理な追い越しをした車を追い回し,
結局運転手を殺したという事件があった.
やはりリスクはあるのである.

周囲の人を怒らせば,それなりのリスクがあることを
マナーの悪い人は覚悟して行動しなければならない.
そのリスクを考えれば,そんなひどい運転は
しないはずなのだが...

私がそうした人たちが嫌いな理由は,
自分もそうなのだからなのだろう.
確かにマナーの悪い運転はしないけれど,
なにかによって有能感を得て,
暴力性が引き出される可能性は,
私にも十分すぎるほどあるのである.
そんな自分を嫌っているからこそ,
そうした人たちに私は腹を立てるのだ.

まぁ,つまりは修行が足りないということなのだけれど.

#過去にもこの話題を書いている...

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