オカルトが好きな私は昔からいろいろと恐怖・不思議系TV番組を観ている。たとえば,新倉イワオの「あなたの知らない世界」(ワイドショーの特集)とか,深夜の心霊取材番組とか,昔はインターネットなどなかったから,紹介される話により信憑性を感じて,深夜寝る前にドキドキするのが好きだった。
そんなオカルトマニアの私だけれど,これまでのオカルト番組とは違って,「おっ」と思うTV番組があった。それが,
「禁断のホラーミステリー 怪異TV」(NHK BS,山中崇 出演,2015)(全3回)
である。これは怪談話を再現ドラマ化したものとは違い,「幽霊画」や「呪い」などの対象に対し,架空の番組である「怪異TV」のレポーター役である山中崇を中心にスタッフが専門家や大学教授にインタビューなどをしてその背景を深掘りするというテイで進められる,ホラーミステリーのフィクションとドキュメンタリーをミックスした日本では珍しいテイストの番組であった。
私の記憶ももはや曖昧なのだけれど,番組は民俗学の専門家に真面目な取材をし,「不思議な現象」の真相についてよりも,その文化的・歴史的な背景を深掘りするという,ある意味学術的な番組だったように覚えている。だから怖さよりも知的好奇心によって惹きつけられる番組だった。
山中崇は変わらずいい味をだした演技をしていて,真面目そうなレポーターを好演している。半信半疑で,でも誠実に取材を進めていく感じがよかった。
こうした心霊現象自体よりも,その文化的背景,歴史的背景を探る番組こそ私の興味をそそるものだ。別にエンターテイメント化した恐怖に魅力を感じているわけではない。幽霊画や呪いなどの背後にうごめく人間の暗い部分にこそ,オカルトの意味が存在しているのではないかと思うのである。
しかし,どうも評判は悪かったのか,その後続編はつくられていない。こんなオカルト好奇心を満足する番組,他にはなかったのに...
0 件のコメント:
コメントを投稿