しかし,少しずつではあるが仕事を完了している(ホッ).
そんな忙しい中ではあるけれど,
今日も電気学会の調査専門委員会に参加した.
会場は,堂島の中央電気倶楽部.
帰りに頑張っている自分へのご褒美として
CDショップに寄ってCDを1セット購入してしまった.
Kurt Sanderling, Staatskapelle Dresden
"J. Brahms, the 4 Symphonies"
自分のCD棚にはブラームスの交響曲が随分と並んでいる.
小澤,サイトウキネン,
カラヤン,BPO,
ヴァント,北ドイツ交響楽団
などは全曲集で,その他
ミュンシュ,バレンボイム,ムーティ,バルビローリ,
バーンシュタイン,ムラヴィンスキー,クライバーなど
今,棚を見なくてもすぐに名前が挙げられるほどである.
実は一時期ブラームスの交響曲に凝っていたのだ.
まずは4番が大好きになった.
あの枯れた感じがたまらない.
ブラームスは,
「私の曲を聴くときはハンカチを用意してほしい」と
言ったらしいけれど,確かに4番は中年の悲しみを感じる.
この曲に入れ込んだのは大学時代だったけれど.
次に好きになったのは1番.
そして,2番,3番と次々に手を出した.
だが最近は,めったにブラームスの交響曲を聴くことはない.
どうも飽きてしまったのか,
プレーヤに乗せようという意欲が湧かないのだ.
特に1番なんて,CDを再生する前から,
音楽が終わった後の充実感(疲労感)を
思い浮かべてしまい,どうも気が進まなくなる.
一度聴き始めるとすぐに引き込まれてしまうのだけれど,
それまでのハードルが高い.
(考えてみると私の仕事の進め方みたいだ...)
それが久しぶりに聴きたくなった.
というのは,このSanderlingの交響曲集,
CD3枚組でなんと990円だったのである.
いくら1970年代の録音で,輸入盤だからといっても
安すぎる!
しかし,ただ安いというだけでは私は買わない.
(意外に私の財布のヒモは固いのだ)
今回は指揮者がSanderlingというところに惹かれた.
彼が指揮する曲の特徴を一言で表すと「渋い」である.
枯れた味わいというか,それでいて深みがあるというか,
じっと耳を傾けるタイプの曲作りが多い.
ピアニストの内田光子は,その渋さが大好きで,
自分のベートーヴェンのピアノ協奏曲の録音のために,
この敬愛する巨匠に指揮を願ったほどである.
私も時にはカラヤンの重厚華美な曲作りも好むけど,
基本的にはブラームスは渋く演奏してほしいと思っている.
彼のブラームスは,この私の願いを
叶えてくれているのかもしれない.
もしそうだったら...
それがたった990円で手に入れることができるとするならば...
と期待(妄想?)が膨らんでとうとう購入してしまった.
(だいたいこんな感じの繰り返しでCDが棚に増えていく)
990円でずっと楽しめるのだから,
この音楽愛好の趣味はずいぶん安上がりなものだと思う.
10年前位の録音であれば,ミッドプライス,
ロウプライスのシリーズとなって比較的安価に入手できる.
当然私が購入するのは輸入盤ばかりである(~1500円)
録音が古いからといって,音楽の質が悪いわけではない.
そこがこの趣味の素晴らしいところである.
ただときどきは,やっぱり新譜で高いお金を出しても
欲しい録音というものもある.
それは目をつぶって,エイヤと買う.
しかし,昔そうして3,500円で購入したCDが,
今ロウプライスシリーズとなって,
790円で棚に並んでいるのを見ると
ちょっと複雑な気持になる.
あぁ,ヴァントのブルックナーの交響曲.
当時の1枚分の価格で
今だったら4枚もそろえることができるよ...
今日もそう思って,ちょっと涙目になった.
ブラームスの交響曲ですか。濃厚ですね。私は最近,モザイクカルテットのハイドンにはまっております。
返信削除ごめんなさい,チェロ弾きさん,学会出張の中でコメントを見落としておりました.
返信削除さて,ブラームス.思いのほか彩りのある演奏でした.ザンデルリンクもまだ若かったのかな.
モザイクカルテットでハイドンですか.ハイドンは今年は記念イヤーですよね.カルテットは私も好きです.交響曲は,どうも一筋縄でいかない気がして,あまり聞いていませんが.最近,私もカルテットに魅力を感じております.大人の音楽なのかも(笑).
チェロ弾きさんは,ピリオド楽器とは言わないまでも,奏法とか古楽風の工夫をされたりするんでしょうか.いいなぁ,やっぱり,楽器をできる人は...