学部生はもう春休みだし,
大学院生も修士論文等の発表会も終了し,
ほっと一息つくころである.
(卒業旅行へ出かけている学生も多いことだろう.
うらやましいなぁ...)
ただ3月は学会シーズンなので,
その準備に追われている学生たちも(教員も)
いることはいる.
ただし,絶対数としては少なくて,
キャンパスは4月から始まる新しい季節を前に
ひっそりとしている.
ただ修士1年生は就職活動に忙しいらしい.
スーツ姿の学生をあちらこちらで見かける.
今年は,マスコミなどで就職状況は厳しいなどと
報道されているから,学生たちも焦っているのかもしれない.
確かに1年前と,ここまで状況が変わってしまうとは,
本当に驚きである.
しかし,どんなに不況下にあっても実際に必要な人材というのは,
ある程度以上,どの企業も確保しなければならないわけで,
その点,専門知識やスキルをもっている理工系の学生は
少しは有利なのだろうと思う.
かつて就職氷河期と呼ばれる時期があった.
そして,そのころ各企業は採用をかなり絞っていた.
(採用数ゼロ,なんてところも多かった)
それが現在の非正規労働者の問題にリンクしているらしいのだが,
結局企業の方も問題を抱えることになってしまったらしい.
すなわち現在,若手として現場で活躍するべき30代の人材が
いなくて困るという話をよく聞くのだ.
特に工学系などでは,技術の習得に時間がかかるから,
その役割を派遣労働者でまかなうということができない.
人材がいないから,技術の継承に
ギャップが生じているのだという.
ものづくりを基礎とするメーカではこの問題は深刻である.
あのころの雇用の制限が,現在の企業の
労働者の年代構成のいびつさを生んだ.
それが結局企業自身の首を絞めてしまっている.
その状況を痛いほど理解しているから,
この不況下においても企業は,
工学技術者の採用はなるべく減らさないようにしている,
という話も多数の企業の方から伺った.
学生からの視点で見れば,
結局のところ,この厳しい就職戦線で勝ち抜けるか否かは
知識とスキルをどれだけ大学で
身につけるかにかかっているのだ.
売り手市場だった過去2,3年の間においても,
一生懸命勉強した学生が,今,有利な立場にある.
平和なときにあっても,油断をせず,努力を怠らず,
自分の腕を磨いておく.
つまりは,「平時の備え」というサムライの心得が
現代においても,われわれには必要なのだ.
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