(すみません,春の陽気が続いているというのに,
暖房器具の話です)
勝手に不完全燃焼と判断するらしく,
安全のために消火してしまうのである.
それでは用に足らないので,
メンテナンスの方に来ていただいて
診てもらった.
原因は,炎の状態を調べているセンサの表面に
シリコーンが付着したために,
不完全燃焼と判断してしまっていたらしい.
確かに吹き出し口にもうっすらと白いものが付いていた.
みなさんはシリコーンが含まれている製品を
ファンヒータと一緒に使用してはいけないことを
ご存じだったろうか.
私は初めて知った.
シリコーンというのはシリコンが含まれた有機化合物で,
つや出し剤とか,女性のヘアスプレーなどに含まれている.
確かにネットで検索してみると,
シリコーンによって,そうした不具合が発生しており,
メーカのホームページなどにもそのような説明が載っている.
しかし,全然広報がされていないように思う.
ヘアスプレーの説明書にはそうした記載があるものも
あるらしいけれど.
さて,私の家では,そんなに部屋の中でヘアスプレーを
使用していたのかというと,全くそんなことはなかった.
つや出し剤も全然使用していない.
では,何が原因だったのか.
調べてみると,驚くべき事実が...
(ってそれほどのことでもないけれど)
実は,我が家では子供の花粉症がひどいので,
今年から洗濯物について二つの対策をうった.
ひとつは,部屋干しにすること,
もうひとつは,柔軟剤を使用すること,である.
部屋干しにすることによって,
外部に衣服をさらすことを防ぐことができるし,
柔軟剤を使用することによって静電気を防止し,
花粉がつきにくくなるという話を聞いたからだった.
これがいけなかった.
柔軟剤にはシリコーンが含まれていたし,
(これが揮発性らしい)
部屋の中で洗濯物を乾かすために
ファンヒータを積極的にしていたのである.
その結果,たっぷりとシリコーンが付着し,
なるべくして不具合が発生したということらしいのである.
一体どこに不具合の原因が隠れているのかなんて
全然わからない.
たぶんファンヒータの設計者も,そんな使用方法で
不具合が生じるなんて最初は思ってもみなかったろう.
たぶん各メーカは(といっても石油ファンヒータのメーカは
数社に絞られてしまったようだが),現在は
対策に頭をひねっていることだろうけれど.
しかし,今回のことで家電の設計者というものが
どれだけ気苦労が多いことかと,心配してしまった.
PL法ができて,メーカの責任が重くなってからは,
ますますのことだろうと思う.
しかし,設計段階で予見できる不具合の原因なんて
限られたものであるにちがいない.
そして思いもしない不具合や事故が起こってしまうのである.
最近になって,リコールや回収のニュースが多くなっている.
世間の目は,ますます厳しくなっている.
メーカはそれに耐えうる製品を作らなければならない.
その苦労を思うと,同じ電気に携わる者として,
ため息をついてしまうのである.
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