2009年4月7日火曜日

小論文試験について~(4) 最後に ~

4月になって,あちらこちらで企業も採用試験を
行い始めている.
この小論文試験に関する記事も,
もう時期外れなのかもしれないので,
今回を最後としたい.

小論文においては,
とりあえず短時間で書き上げなければならない.
また限られた文字数の中で,
論理展開をして,結論まで導かなければならない.
そして,読者を説得しなければならない.
したがって,時間配分,分量配分が大事となる.

最初にテーマが与えられて,
自分が主張したい話を決める.
そこですぐに原稿用紙に書き始めてはいけない.

書く前に,主張したいことについて
相手を説得するために,
その根拠となるエピソードを
取捨選択して決定するのである.

それから,分量配分をする.各エピソードに
どのくらいの分量の文章を割り当てるか,
最初に構成を決めてしまうのである.

あとはその割り当てた範囲で書ける詳しさで
(当然,割り当ての分量が少なければ,
内容は詳しくは書けなくなる)
エピソードを記述する.

そして,自分の主張したいことに,
話の流れを落としこんでいくのである.

ま,言うは易し,行うは難し,ということなのだけれど.

与えられた文字数が極端に少ない場合もある.
たとえば原稿用紙1枚とか.
その場合は,400字を4分割してみよう.
第1のパートは,序論である.
しかし,短い文章なので最初に結論を書いてしまおう.
あとはその説明という形になる.
第2,3のパートは本論である.
短い文章にスパイスを効かすためには,
第3のパートに,「反論」を持ってくるのも
ひとつの手である.
自分の主張に対して,わざと反論を述べるのである.
そして第4のパートにそれに対する反論をまた述べて,
結論で締めくくる.

短い文章だと,新聞のコラムなどが
よく参考になるといわれるが,
小論文はいわゆる「読み物」ではないのだから,
起承転結は不要であることに注意したい.

あとは時間配分に気をつけること.
最後まで書けなければ,
論文は中途半端なものとなってしまう...
ついつい一生懸命書くと時間が足りなくなってしまうのだけれど,
内容は100点の小論文であっても
時間切れでは元も子もない.
60点でも締め切りに間に合うことが大切.
これは前の職場の私の上司が良く言っていたことである.

小論文は大変だけれども,
答えが間違っていて,点数が下がるということはない.
努力さえすれば,かならず良い評価が得られるものである.
論理的な能力,それに磨きをかけて
頑張ってください.
幸運を祈る!

<付録> その他,小論文を書くことで大切なことを
思いつくまま以下にあげてみる.

  • 丁寧な文字で書くこと.読んでもらおうとするのだから,最低限のマナーである.
  • 誤字脱字を見直すこと.時間が少ないのはわかっているけれど,少なくとも1回は読みなおしておきたい.
  • 同じ表現,単語の繰り返しを避けること.単語の繰り返しを避けることは,英文だけに限らず日本語の文章においても,読みやすさを助ける基本的なルールである.
  • 「考え・意見」と「事実」を区別すること.特に周知の事実のように,ある物事を書く場合は,根拠を示すこと.これがあいまいな論文は,困ってしまう.
  • とにかく陳腐な表現を避ける.「衝撃が走った」,「心の琴線に触れた」などの表現は,無意識的に嫌悪感を持ってしまう(私だけ?)
  • 人が書きそうな話は避ける.だから個人的な経験に基づく話を書くのは非常に印象が良くなる.

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