2010年6月8日火曜日

才能があるものにはかなわない

天才に対して,才能が無いものが優ることは,
努力して得たときの感動だという話がある.

たとえば一つの技を修得する場合,
天才はあっという間にできてしまうが,
才能の無いものはコツコツと努力をして,
その末に技ができるようになる.
そのときに得られる感動は,
天才にはわからないだろう,ということである.

しかし,私は残念ながら,そうは思わない.
才能あるものはどんどん先に進むことができる.
そこには,歩みを進めることによってだけ
知ることができる素晴らしさがあるのだ.
その感動を,能力の無いものは味わうことができない.
そしてその感動を味わうことができるものは,
さらに高みを目指して努力するのである.

確かに私も思うのは,その人の成し遂げたこと(実績)は
どれだけ努力を積み重ねてきたか,ということに
最も強く相関があり,
才能の有無による相関は,
努力ほどは強くないということである.
(もちろん強い相関があることは間違いないのだけれど)

しかし,それは実績というものが
時間積分で効くものだからであって,
単なる能力の比較,競争であるならば,天才にはかなわない.
短時間でなにかを行う,あるいは勝負が決定するという場合には
やはり才能がものをいうということを
つくづく思う...残念ながら.

イチを聞いて十を理解できる人が確かにいるのである.
そしてあっという間にその知識・技術を自分のものと
できる人がいるのである.
(私は残念ながらイチを聞いてもそのイチを理解出来るか怪しい)

武道という世界を見ていると,
こうした事実の残酷さに悲しくなることがある.
まぁ,武道だけに限らないのだけれど.

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