たとえば,TRICERATOPS.彼らの音楽は時代につれて新しくなっているけれど,以前から「踊れるロック」というコンセプトは変わっていない.そこが大好きなのである.
また,アジアンカンフージェネレーションだってそうだ.以前に出したアルバムを10年以上を経て,そのまま再レコーディングして発売している.もちろん音楽はいまにあったものに変わっているだろうが,彼らのコンセプトは変わっていないことを示しているように思える.
そんなバンドが多い中,私の好きなバンドの一つ,「くるり」が最近向かっている方向がよくわからない.これからどこへ行こうとしているのか,気になっている.
「くるり」といえば,「東京」,「ワンダーフォーゲル」,「ばらの花」などの比較的初期のイノセントな曲が好きだったりするのだけれど,リリースされた曲を聴いて驚いたのが「Liberty & Gravity」である.聴いてもらえばこの曲の不思議さがわかってもらえると思うのだけれど,なんというか,無国籍感そして少し笑いを含ませたような曲になっていて,それでいてセンスの良さが損なわれていない,ギリギリのところで曲が成立しているのである.初めて聴いたときは思わずニヤついてしまった.
そして昨年リリースの「琥珀色の街、上海蟹の朝」.これがまた素晴らしい.ふざけたような歌詞を中毒性のあるわかりやすいメロディーに乗せて歌っている.わらっちゃうような,せつなくなるような,そしてクールな絶妙の音楽である.
初期のようなピュアさが薄まって,独自の世界に入っていこうとしていることは確からしい.アジア風になっていくことで逆に無国籍を感じさせる不思議な音楽である.こんな音楽を目指している「くるり」.ますます好きになってしまう.
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