2017年7月25日火曜日

40度以上の気温の中,いかにして人は37度以下の体温を維持しているのか

近年,やはり異常気象なのか,地球温暖化の影響なのか,体温を越える気温,たとえば37度とか39度とか,高温になるというニュースを見聞きする.そのたびに私は疑問に思うことがある.

40度の気温の中で,人はいかにして37度以下の体温を保つのか

ということである.
周囲温度が40度であれば,40度の恒温槽の中にいるようなもので,身体の周囲からは常に熱が侵入してきて,最終的には体温は40度に収束することだろう.

しかし,しばらくの間であれば人間の体温は37度以下の体温を保っていることができる(そうでなければ40度近くの気温の地方ではもっと多数の病人や死者が出ているだろうから).

その原因について考える.

1.熱容量.
物体にはそれぞれ熱容量があり,それは人間の身体にも当然あるから,入熱にしたがって体温が上がっていくけれど,その上昇には時間がかかることになる.その間はそれなりの体温を維持できることになる.

しかし,お風呂の中に落とした氷がいつかは溶けるように,体温もいつかは40度の気温と同一の温度に収束していくはずである.ただ人間の体内には大量の水があり,水の熱容量はたいへんに大きいから,それなりの時間がかかるということなのだろう.温度上昇のカーブをいつか計算してみたいものである.

2.気化熱
40度の周囲温度の環境で,私たちの体温を下げる機構があるとしたならば,それは汗をかくということだろう.その汗は気化するときに身体から熱をうばっていく.このとき奪われる気化熱によって体温が下がることが期待できる(呼吸においても,気道などの体内で気化熱による冷却が行われていると思われる).

しかし,身体の表面積から計算される入熱の大きさを考えると,いったいどれだけの水を身体から蒸発させれば,私たちの身体は37度以下の体温を維持できるのだろうか.いつか計算してみたいけれど,なにかすごい量の水が必要な気がする...

また,気化熱が身体の冷却機構であるならば,周囲の湿度,風況などが大きく影響するはずである.湿度が高ければ汗は乾かないし,逆に風がふけば涼しく感じるのは気化がさかんに行われるからである.一方最悪,お風呂の中にいたならば,熱伝導による熱侵入は大気中よりもはるかに大きいだろうし,汗をかいたとしても気化熱による冷却はお湯からでている首から上の部分でしか働かないはずである.つまり,お風呂に入ってのぼせるのが,熱中症になる最悪のケースということになる.

40度近くの気温の中,熱中症にならないためには大量の水の摂取と,汗をかく工夫が必要だ(運動してはだめだけど)ということなのだろう.こうして考えると,一番楽なのはやっぱりエアコンの風にあたることだということがよく理解できる.


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