2024年3月16日土曜日

新潟県立歴史博物館(2)~雪国の暮らし~

 新潟県立歴史博物館の目玉といえば,縄文時代の「火焔土器」と大きなディスプレイで再現された「雪国の暮らし」ではないだろうか。

圧巻なのは,雁木とよばれる雪よけをつけた通路と道路,そしてそのなかで営まれていた昭和初期くらいの人々の暮らしなどが数十メートルの部屋のなかに再現されているところである。

現在の長岡は消雪パイプや整備されたことや除雪車が除雪することもあって,道路が雪に埋まって自動車などが走ることができなくなることなど滅多になくなったけれど,私が小学生のときに長岡に住んでいた頃はまだ,家々の屋根から雪下ろしした雪の捨て場がなくて,直方体に固めた雪のブロックを石垣のように道路に積んでいくところも多かった。

こうして道は雪で埋まってしまうので,町で雁木と呼ばれる家のヒサシを長く伸ばして,屋根付きの道を確保して,その中を人々は歩いていた。道路側は高く雪が積まれているので空が見えず,雁木の下はトンネルのようにいつも暗かった。

私の家も家の周りは屋根から下ろした雪で壁ができてしまうので,一階の窓からは雪しか見えないし,通行はブロックで家の2階くらいの高さまで積まれた雪の壁の上につけられた通路なので,一階の玄関までは下り階段を雪で作って出入りをしていた。そして通学は高く積まれた雪の壁の上の通路を通るので,道路脇の電信柱の頭が目の高さになるくらいだった

この通路の両脇の雪は踏み固められていないので柔らかく,この雪に足を取られると長靴が雪の中に埋まってしまい,春まで発掘は不可能だった。ミニスキーで学校まで行くことができればよかったけれど,残念ながら学校で禁止されていた。

そんな嘘みたいな話が本当だったとわかるディスプレイがされている。雁木も再現されていて,その下にある当時の店の様子も見れてたいへん懐かしい気持ちになる。これはほんとにオススメ。やはり長岡といえば豪雪。その豪雪地帯に住んでいた人々がどのような暮らしをしていたのか,ぜひ感じてほしいと思う。

個人的には,写真パネル等で紹介されていた,豪雪時に行われる「結婚式」,「葬式」そして「病人の搬送」などを見て,もう絶対こんなところに住みたくない!と思ったけれど…

#ちなみに消雪パイプは長岡市で柿の種を生み出した菓子屋の社長が発明したものということになっている。記念碑が街にある。

実物大で再現された雪の街


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