テレビドラマ「降り積もれ孤独な死よ」を観ている。主演の成田凌が好きだからということもあるが,物語自体がたいへん面白いからである。
本作品は殺人事件を追うミステリードラマなのだけれど,その裏には「親から虐待を受けた子供がその暴力の連鎖を断ち切ることができるか」というかなり重たいテーマがある。私はこうした重い話が苦手なのだけれど,ストーリー自体は毎回毎回大きな展開があって次はどうなるのだろうと気になってしまって結局見続けている。
まず事件の始まりが,子供たち13名が部屋に閉じ込められて餓死させられるところから悲惨である。その子供たちは親からの虐待から逃れるため,山の離れた屋敷に連れてこられたという,そもそも悲しい設定であるのに,部屋に閉じ込められて餓死させられてしまう。その話だけでもつらいのに,生き残った子供6名のうちひとりが成田凌の弟であって,成田凌自身も虐待が原因なのか,暴力衝動によって連続傷害事件に関わっている。そして残された6名も次々と殺されていく。とにかく話が暗い。そしてどんどん謎が深まっていく。
キーとなっているのが生き残ったひとりの女性なのだけれど,その女性のなんとなく宙ぶらりんな性格を吉川愛がよく演じていて,これもかなり良い印象である。
このドラマの特筆すべきところは,登場人物の誰もが闇を抱えているということである。親に虐待された子供,虐待してしまった親,親に捨てられた子供,そしてウソによって友達を自殺に追い込んでしまった女性記者。どれもだれもが重い。こうした悲しみを連続しておこる殺人事件を通して描いていく。それがすごい。最終的にこのドラマは何を描きたいのだろう。。。
正直にいうと,子供の虐待のテーマはつらいし,人がどんどん死んでいくのも悲惨で,こうしたドラマを見続けるのは私もかなりつらいのだけれど,それでも次の展開が気になってみてしまう。毎回新しい展開があり,全然飽きない。それだけ脚本が素晴らしいということなのだろう。この悲しい物語がどのような形で決着されるのか,最後まで見届けようと思っている。
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