中社から30分ほどあるいて,奥社参道の入り口にたどり着く。トイレでペットボトルに水を汲んで外に出て参道で泥にまみれた靴を何度も洗う。参道に入る前からもう泣きそうであった。
さて,奥社参道の入り口には駐車場があって戸隠そばが食べられる蕎麦屋なども並んでいるのだけれど,かなりの人で混雑していた。蕎麦屋になんてとても入れるような雰囲気ではなかった。それでも当日朝食は民宿でたっぷりといただいていたので,腹もそれほど減っておらず,奥社に向かって参道を歩きだした。
奥社への参道はおよそ2km。ゆるやかな上り坂である。やはり前日の雨の影響でところどころで足元が滑る。ただ,大きな杉が続くこの並木は有名らしく,木陰の中を歩いていくのは気持ちがよかった。ただし,人が多くて参道には人の列がずっと続いていたけれど。。。
途中,参道の道の半ばくらいに赤い門がある。その姿をみてやっと自分は以前にここに来たことがあるのではないかと思い出した。そう,大学1年の夏,合氣道部の合宿で戸隠に来ていて,合宿の中日のハイキングで戸隠神社を訪れたのだった。あのときも天気が悪く,雨で道が川となっていて,スニーカーが水没して汚れたのを思い出した。40年ほど前と同じだ。そして,この赤い門の前で撮った写真があったのを思い出した。私がここに来たのは初めてなんてではなく,39年ぶりだったのだ。
| 戸隠神社奥社参道途中の門。神社内で最も古い建物だという。 |
その後また15分歩いて,ようやく奥社に続く階段の登り口に到着。ここまで奥社の参道入り口からおよそ30分かかった。奥社は階段の上にあるのだけれど,階段の上まで人の列が続いていて,遅々として進まない。結局,またそこから1時間かけてようやく奥社の神前に着いた。
奥社の祭神は「天手力雄命(あめのたたぢからおのみこと)」で,あの天岩戸を開けて天照大神を洞窟の中から出した神である。その岩の一部が飛んできて戸隠山になったという伝説があるそうである。ようやく手をあわせて,その隣にある「九頭龍社」へと移動する。こちらはなんとほとんど人が並んでいなかった。
| 戸隠神社奥社 |
| 九頭龍社 |
実は今回私が戸隠神社に来ようと思ったのは,この九頭龍社にぜひ参拝したいと思ったからである。祭神は九頭龍大神。奥社の創建は一説によれば紀元前200年以上らしいのだけれど,この九頭龍社はさらにその創建は古く,どうも修験道の人たちが関わっているとのことである。
一時期,一部で龍神ブームがあったけれど(知らない人も多いけど),その龍神信仰において最古の神社といえば戸隠神社なのである。ご利益は雨ごいの他に,なぜか縁結び,歯痛らしい。ありがたく手をあわせた。正直,クタクタだったので,さらにお守りを買うのに並ぶのはさすがにあきらめて参道をもとに戻る。中社まで歩いてまた一時間。。。とにかく疲れた。
そこから一般道で長岡まで帰って疲労は確かにひどかったけれど,今回はじめての一人旅,善光寺,長野県立美術館,野沢温泉,戸隠神社をまわって本当に満足した。やはり非日常に身を置けるのである。忙しくする必要はない,今回のような余裕あるスケジュールで時間をつぶす。こんな素敵な時間はこの年齢になるとなかなかない。近いうちにまた計画しよう。
#これにて長野の旅シリーズは終了です
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