「雪風」の映画が公開されるらしい。「雪風」といえば,「ゴジラ -1.0」でも出てきた日本海軍の駆逐艦で,終戦まで生き残った不沈艦であり,「幸運艦」と呼ばれていたという。
私もそのくらいしか知らないし,詳細はWikipediaを見てもらえばよいのだけれど,この何度も任務を遂行して帰還したというのが大切なのである。
そう,ここで思い出すのが,神林長平のSF小説「戦闘妖精・雪風」である。主人公が搭乗する自律制御された超高性能戦闘機の名称が「雪風」なのである(戦艦ではなく戦闘機だが)。この戦闘機は,戦闘に参加するのではなく異星人との闘いのデータを取得し持ち帰ることが任務なのである。そのため,時には味方を捨てて帰還しなければならないことがある。どんな状況でも帰還する。だからこそ機体名は「雪風」なのだろう。
そうした非情の役割を果たすのだけれど,主人公の搭乗パイロットはどこか人間性に欠けている男で,一方雪風は自律制御系が意識を持ち始めていることを匂わせる挙動をし始める。別次元の宇宙から飛来する異星人は,対戦相手は人間でなく,雪風のような機械意識の方であると認識しているのではないだろうか。。。そんな疑問を残しながら話が進められていくのである。
とにかく,雪風は終戦まで帰還を成し遂げた奇跡の「幸運艦」なのである。たぶんそのために,映画になるくらい,つらい経験を山ほどしているのだろうけれど。。。そんなことを映画の予告編をみて思い出したのである。
#「戦闘妖精・雪風(改)」は数あるSFの中でも10本の指に入るマイフェバリットで,続編も書かれているし,アニメにもなっている。神林長平は新潟生まれで長岡工業高校出身というのもうれしい。
# そういえば,私の娘が「理科の先生の車に「ぜかきゆ」と書いてある」と話してくれたことがあった。私はすぐにピンときたが,それが意味するものが船だったのか戦闘機だったのかはいまだわからない
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