昼には頭痛薬を飲んだのだけれど,
あまり効果はないようだ.
風邪なのか,疲労なのか.
頭痛のひとつの原因というわけではないだろうけれど,
昨晩鏡をみて気付いた.
いつのまにか眉間にしわが寄っている.
しわを寄せようとして寄せているわけではないので,
無意識のうちに眉間にしわが寄っているように
なってしまっていたのだ.
少しショック.
「慈眼温容」とは私がご指導いただいている合氣道のO先生が,
その先生であるT先生から色紙に書いていただいた言葉である.
O先生は,以前はたいへん厳しい方で,
T先生に,
「普通は,『春風を以って人に接し,秋霜を以って自らを粛む』と
いうけれど,O君の場合は,
『秋霜を以って自らを粛み,秋霜を以って人にも接す』だな」と
言われるほどだったそう.
その頃のO先生のトレードマークが眉間のしわで,
それを直すために,わざわざT先生が色紙に書いて
渡してくださったのだという.
O先生は毎日その「慈眼温容」の色紙をみて,
眉間のしわを解くようにしていた,とお話を伺ったことがある.
そんな話を知っていたにも関わらず,
自分の眉間には深く溝が刻まれていたわけで,
本当になんのために稽古をしていたのかと
反省することしきりなのである.
眉間にしわを寄せると,単に目つき,
顔つきが悪くなるだけではない.
心と身体はひとつだから,心も偏って凝り固まりやすい.
偏狭になってしまう.
また当然身体も悪影響をうけて,
身体をリラックスして遣うことできなくなる.
以前,千代の富士は立ち合いの際に
眉間にしわを寄せて,相手を睨みつけていた.
ウルフといわれたゆえんである.
これでは,大成しまいとT先生は思っていらしたそうであるが,
あるときからパタリと睨みつけるのをやめたのに
気づかれたのだという.
それ以後取り口は素晴らしいものになり,
名横綱の道を歩んだということなのだが,
後日T先生が千代の富士にお会いした機会に,
なぜ睨みつけるのをやめたのかと尋ねたところ,
実はT先生の本を読んだからだった,という話なのである.
まぁ,そんな大横綱の話はともかく,
こんな私だって,眉間にしわを寄せていては
良いことはないのは同じなのである.
気付いたからには今日から気をつけよう.
「慈眼温容」な人への道はまだまだ遠い.
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