多く見かけたけれど,今日は明らかに激減.
学食の学生たちが集まっているのを見ても,
マスク姿は数えるほどしかいない.
日本人の傾向としてあるのかもしれないけれど,
のど元過ぎれば熱さわすれる,
つまり,もうすっかり警戒心が低下しているようである.
過剰に反応するのも良くないけれど,
たった数日でここまで無防備になるかと思うと,
それはそれで考えさせられる.
マスクは予防にはならないというけれど,
少なくともかかっている人からの感染を
防ぐことには有効なのだという.
私は体調はまだ大丈夫だけれど,
いつ感染するかわからない.
もしかして,今も感染しているのかもしれないのである.
その場合,人にうつさないという目的のために,
私はマスクをするのである.
それが責任だと思う.
しかし,マスクをして困るのは,
誰が誰だか認識しにくいということである.
キャンパスを歩いていて,
会釈をされても,誰だかぱっと見,わからない.
近くに寄って注意してみて,
初めてだれそれと認識できる.
マスクは人を得体のしれない人に変えるのである.
そう思って,私は妖怪の話を思い出した.
その昔,夕暮れ時の薄暗い中,
得体のしれない人に声をかけるときには,
「もし,もし」と二度繰り返した.
妖怪は同じ言葉を二度繰り返すことができないと
信じられていたから,
自分は妖怪ではありませんよ,と,
まず情報を発信しているわけである.
マスクをかけていると,人は得体が知れなくなる.
その意味で,それは,妖怪と変わりがなくなる.
だから今の状況では,声をかけあわないと
誰が誰だかわかりにくい.
たとえ昼間でも「たそかれ」ときと同じなのである.
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