2007年11月26日月曜日

ガリレオは准教授志望を増やすのか

最近は大学教員を目指す学生が少ない.
博士後期課程に進む学生の数はめっきり減っている.
博士課程の学生は研究室の実力向上に不可欠なので,
この博士課程の学生の減少は非常に困っている.

この原因としては(何度も書いてきてはいるが),
博士号を取得したからといって,
なにもメリットがないからである.
いや,むしろ就職先がない,生涯賃金が少なくなる,
企業から敬遠される,などのデメリットの方が多い.

特に私に関係が深い電力業界などは,
実質的に博士課程修了の学生を採用しないというところもある.
こうした業界の状況が,現在の大学の研究室に悪影響を及ぼし,
電気系の人気を悪くしているということを,
業界はもっと真摯に受け止めるべきであると思う.

教員である私たちも,将来の就職が不透明であるのに,
博士課程への進学を勧めにくいのだ.

大学の研究室にとっては,博士課程の学生の有無は非常に大きい.
ぜひ博士課程への進学が増えるように,
電力業界だけでなく,他のメーカも
博士課程修了後の学生の採用を積極的に行ってほしいものである.
そうした努力が,電気系の底の向上につながるのだと思う.

(電力業界は,電気系の人気が下がっている状況でも,
現在の学生たちの安定志向のおかげで,就職人気が高い.
だから真剣にこのことを考えてこなかったような気がする.
ようやく電気事業連合のパワーアカデミーなどの活動が
始まろうとしてはいるが)

一方で,大学教員の人気も相変わらず低い.
以前に学生たちになぜ大学教員になりたいと思わないのか,
と尋ねたことがある.

すると,
給料は高くなさそう(当たっている)なわりに,
いつも「忙しい,忙しい」といって,大変そうである.
その上,学生の相手をしなければならない...
との答え.

うっ,見抜かれている...

もちろん,大学教員には楽しいことも多々ある.
しかし,その楽しさが学生たちに伝わるようには,私は
働いてこなかったような気がする.
つまりは,私たち(いや私?)を見て,
大学教員に魅力を感じていなかったわけである.
この答えを聞いて,私もずいぶん反省した.

しかし,この大学教員の不人気にもちょっとした朗報がある.

最近,「ガリレオ」というTVドラマが大人気だそうである.
東野圭吾原作の探偵小説に基づいたドラマで,
主演は福山雅治,そして柴咲コウ.
ずいぶん視聴率がいいらしい.
私は残念ながら,ほんの少ししか観たことがないのだけれど.
(今日も見逃した.月曜9時からの放映である)

探偵小説とはいっても,主人公の職業は
なんと准教授.専門は物理学で,
天才だが奇人であるという設定らしい.

なんといっても福山演じる准教授がカッコイイとのこと.
これだ!と私はひそかにほくそ笑んでいる.

以前,木村拓哉主演の「HERO」というドラマのおかげで,
松たか子演じる担当事務官を志望する人が増えたらしい.
(さすがに検事の人気が上がったという話はなかったけれど)
同じく木村拓哉主演の「GOOD LUCK!!」では,
パイロットと整備士の人気が向上.
「ビューティフルライフ」では美容師人気が再燃.

一方,「カバチタレ」では行政書士が,
「やまとなでしこ」や「CAとお呼びっ!」では,スチュワーデスが,
そして「ナースのお仕事」では看護婦がそれぞれ人気向上した.

そして,今回の「ガリレオ」.
必ずや准教授の人気が高まるに違いない.
再来年あたりから多くの学生が突然博士課程に進学を希望する.
そんな夢みたいな話にならないものかと,淡い期待を抱いている.

まぁ,私と福山雅治演じる主人公の間には,同じ准教授といえど,
日本海溝よりも深いギャップがあるのだけれど(笑).

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