2009年1月30日金曜日

日本のマイクログリッドはどうなる

今日は,また別の電気学会の調査専門委員会
「新しい配電システムを構築するパワーエレクトロニクス
技術調査専門委員会」に参加した.
東京ガスのマイクログリッドの研究設備を
見学させていただく.

東京ガスも,エネルギー供給会社としての
責務を果たすために,未来を見据えた研究を進めている.
ガスだけではなく,総合的なエネルギーの
マネージメントを考えている.
将来は,自然エネルギーを最大限利用しつつ,
電気・熱の併給による高効率なシステムを
構築するのが不可欠となる.
これからますますエネルギー問題は注目されることになるだろう.
こうした堅実な研究が実を結ぶに違いないと思う.

NEDOの国内でのマイクログリッドの大きなプロジェクトは
昨年で一応の区切りをつけている.
八戸の水を電気でかえすプロジェクト,
仙台の品質別電力供給プロジェクト,
愛地球博・中部臨空都市マイクログリッド,
そして京丹後のバーチャルなマイクログリッドプロジェクト.
日本はこの分野で,世界のトップクラスの実証研究を行ってきた.
太陽光,蓄電池,そしてパワーエレクトロニクス.
日本の得意分野をインテグレートしたこうしたシステムは,
世界のトップを取れる可能性がある.
(いや,すでにトップクラスの成果を挙げている)

しかし,次に続くプロジェクトが国内に無い.
現在は,メガソーラーなどのプロジェクトが進められているが,
マイクログリッドと名のつく大型プロジェクトは無くなってしまった.
残念である.

確かにマイクログリッドに関する基本的な技術は確立された.
しかし,経済的な問題が残されているし,
技術的にも研究すべきことは,まだまだあるのではないか.
せめて一箇所でもいいから,国が共同実験設備として,
どこかの場所を提供し続けてくれないものかと思う.

せっかく現在,日本は世界に誇れるポジションにあるのに,
今後みすみす海外のプロジェクトが最新の成果を出すのを
指をくわえてみていなければならないのである.
それが残念で悔しいのである.

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