イギリスの新首相と副首相のニュースを見る.
どちらも43歳だそうである.
いやぁ,本当に若いなぁと思う.
私とひとつしか違わない.
それで国を背負う仕事をしようというのだから,
その勇気と元気に頭が下がる.
政治家に必要とされる資質のひとつは,
「これ」という正解のない状況で,
もっとも確実な,あるいは皆に有益な
判断を下すということだと思う.
方程式を解いて求めることができるならば,
あるいは実験をして十分なデータを集めることが
できるのならば,研究者,技術者であっても
国政を行うことができるはずである.
しかし,政治で扱われる問題は,
そうした単純に解けるものは少ないと思われる.
どんなに単純な判断であっても,
利益をうけるものと,不利益をうけるものがいるから,
問題の最適解を求めるといっても,
なにが最適なのか,それを定義することがそもそも
難しいのだ.
また結果の成否の判断も難しい.
ある時点でAかBかの決断を迫られ,
Aという判断を行ったとする.
次の時点で,Aを採択した方が
Bを採択した場合よりも優れていたか,
という評価が難しいのである.
なぜならばBを採択した結果が
どうなっていたのか,その予測が
非常に難しいからである.
そうした予測が困難な状況において,
とりあえず最悪でない選択ができる人を
私たちは信頼する.
政治家とは,そうした人であるべきだと思う.
と考えてみると,私たちの人生においても,
こうした結果の良否を評価することができない
判断の連続である.
では私たちはどうしているか,というと,
自分が行った判断が最悪ではなかった,
(できるだけ最善であったと)と
思えるように努力するのである.
逆に言うと,それしかできない.
政治ももしかして同じなのではないかと思う.
政治家がある時点で行った判断が
最悪ではなかったと思えるように
国民が努力する必要があるのかもしれない.
そして,国民が喜んで努力してくれる状況をつくること,
それが政治家の政治力なのかもしれない.
ならば私たち個人個人においても
その政治力は必要なのだと思うのである.
2010年5月13日木曜日
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