2011年10月27日木曜日

心の中の音読

今年は本を50冊くらい読もうと思っていたのだけれど,
残念ながら,現在までで15冊しか読んでいないらしい.

また,私は季刊の「考える人」(新潮社)という雑誌を
読んでいるけれど,3ヶ月間でなんとか一冊
読み切れるかどうかという感じである.

つまり,何が言いたいかというと,
私の本を読む進むスピードはずいぶん遅い,
ということである.
残念ながらそれは認めなければならない.

確かに,一日に読書に割く時間というのは
少ないけれど,その根本として読む速度が
遅いというのは致命的である.

では,なぜ遅いのか?
それはやはり心の中で音読しているからであると私は思う.

逆に速読術というものもある.
(私は何度かトライしてみようかと思ったことがある)
有名な方法のひとつにフォトリーディングという技術がある.
これは頭の中にページをちょうど写真のように
画像を取り込んでいくように読む方法である(らしい).

だから,「本」という字をみても,「ほん」という音を
経由して「本」というものをイメージしない.
「本」という字から直接「本」の実物・概念をイメージ
するのである.
だから早い.
画像イメージから画像イメージへの直接変換なのである.
それが私の場合,いちど音声データに変換されてから
画像イメージにつながる.
一ステップ分(それが大きいのだが)遅れるのである.

確かに「画像ー画像」変換を練習すれば,
それも体得できるかもしれないけれど,
最近,小説を読むようになって思うのは,
やはり文体はリズムであるということ.

各作家独自のリズムが文章にあって,
それが小説の読みやすさや,親密さ,
あるいは難しさを構成しているのだ.

私の心に素直に入ってくる文章は,
私のもつ話し言葉のリズムに近いような気がする.
(もちろん,それは,結論先行主義で,
短文で構成されるものなのだけれど)
もちろん,それだけではなく,長文で構成された
文章の味わい深さもいい.
作家は,こうした文章の持つリズムを工夫して
執筆しているのに違いないのである.

これ読むのにをフォトリーディングではもったいない.
詩と同じく,心の中で音読するのがいいと思う.
ひとり朗読会なのだ.

技術書やハウツー本はフォトリーディングがいい.
しかし,文芸書はやっぱり心の中の音読を離れることができない.
私が遅読なのは仕方がない,と自らあきらめているのである.

#でも,今年中にあと5冊は読みたいな.

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