佐野元春の「君を待っている」という曲から連想したのが「彼女」という曲。これもミディアムなテンポで切々と歌う作品である。この曲は,1981年発売の「Heart Beat」,そして1991年の「SLOW SONGS」に収録されている。
この曲はどうも佐野元春がデビュー前から作られていたとのことらしい(未確認だけど)。私はてっきり彼の敬愛するエルビス・コステロの「She」へのリスペクトソングかと思っていた。
佐野元春はどうも彼が好きなアーティストの曲の翻案というべき曲をつくっていると思われることがある。例えば「Someday」は,ブルース・スプリングスティーンの「Hungry Heart」のそれにあたるし,「Young Bloods」はスタイル・カウンシルの「Shout to the Top」のそれにあたる(と思っている)。私はそれが悪いと思っているわけでなく,それらの曲はちゃんと佐野元春の作品になっているし,それが正直な佐野元春だと思っていて,そんなところを含めて私は彼を好きなのである。
そして,この「彼女」もエルビス・コステロの影響なのかと思っていたけれど,調べてみるとエルビス・コステロの「She」の方が2010年になっていて,佐野元春よりもずっとあとなので驚いた。だって,タイトルからして同じなんだから...(エルビス・コステロも1974年の作品のカバーらしい)
佐野元春とエルビス・コステロがそれぞれ「彼女」と「She」を歌いあったステージもあったということだ(私はどちらも好きなのだけど,ファンにはたまらないものだったろう)。どちらも名曲で,二人はリスペクトしあったに違いない。
どうも「彼女」という曲は映画「SPEC」で使われたらしく,若い人たちにも少しは知られているようでうれしい。正直,彼はもっともっと多くの人に聴かれて欲しいと思っている。私の青春時代をともに過ごした佐野元春というアーティストがもう少し現代で再評価されて欲しい。
#そういえば佐野元春は「SPEC」のテレビドラマで,主人公の戸田恵梨香の父親役で出演していた。セリフがあの語り口調そのままでしびれた。
#「若い人に」と書いたけれど,「SPEC」のテレビドラマの放映が2010年らしい。そもそも若い人はこのドラマ,そして映画を観ていない(実は私も映画は観ていない)。
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