大寒波がやってきた。一日に40~50cmの雪が積もり,人々は朝晩に雪かきを繰り返す。そんな大雪がやってきた。
夜,帰宅のために大学の駐車場に行くと,私の車が雪に埋もれていた。広い駐車場に私の車と隣の車,2台だけが雪にまみれて取り残されていた。遠くから駐車場のオレンジの照明が2台を照らしていた。
雪に埋もれた私の愛車 |
「やれやれ。雪かきにどのくらいの時間がかかるだろう」と呆れながらも,家に帰るにはやるしかないわけだから,車に常備しているスコップと雪かき棒を取り出し(取り出すためにも雪をかくわけだけれど),屋根の上に積もっている雪から落としていく。
そのうえ,私の車は残念ながら四輪駆動ではないので,雪が地面に積もっているとスタックしやすい。そのため,駐車場から道路までの道のりも雪かきして確保する必要もある。この日も駐車場のほぼ真ん中から駐車場の入り口までの道もスコップでつくる必要があった。
結局,40分。駐車場を出るのに要した。。。
スーパーに寄ってから自宅に向かう。しかし,私が住んでいる住宅への連絡道路は除雪が十分でなく,思いっきりその道路の入り口でスタックしてしまった。タイヤが雪に埋まって,車はもう前にも後ろにも動かない。それから30分,タイヤの周りの雪をスコップで掘り起こし,先に買っておいた「脱出ラダー」なども使ってみたけれど効果なし。どうしようかと途方に暮れかけているところに,「スタックしたのですか?」とジープに乗った若い二人が車から降りてきてくれた。私は事情を話し,一方の人に運転席に乗ってもらって,私ともう一人の人で車を前後から押すことにした。それまでの雪かきの努力もあってかすぐに脱出。本当にありがたかった。どこかで困っている人がいたら,私も押してあげようと思った。
その日,なんとか家にたどり着くことができたが大学の駐車場から要した時間は2時間半。心底ヘトヘトになった。部屋で着替えた頃にはもう日付も回ろうとしていたけれど,その後温かいお風呂に入ってリラックス。たいへんな夜だった。
朝起きて住んでいる住宅の駐車場で車を出すために雪かきをし,大学に着いて駐車スペースを確保するために駐車場の雪かきをし,夜,帰宅しようとして車を駐車場から掘り出すために雪かきをし,そして住宅の駐車場に着いて車を駐車するために自分の駐車スペースをまた雪かきする。寒波が続き,積雪が続く限り,この作業は繰り返されるのだ。
村上春樹は,誰が書いても良いような文章を書く仕事を「文化的雪かき」と呼んだ。しかし,この雪国の雪かきはフィジカルな「雪かき」である。誰がやっても良いけれど,雪かきした人には,疲労と(腰の)痛みを伴う。
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