2025年2月23日日曜日

最高のオバハン中島ハルコ~マダム・イン・ちょこっとだけバンコク

 疲れた状態で観たいテレビ番組というのは,それなりに限られるものだけれど,今期,そうした数少ない番組の中のひとつが,

「最高のオバハン中島ハルコ~マダム・イン・ちょこっとだけバンコク」(フジテレビ,東海放送)

である。名古屋の美容整形外科医である中島ハルコが,恋愛,家庭,後継ぎなどいろいろな問題を解決していくコメディ物語。大地真央演じるスーパーレディーで,かつ上から目線の中島ハルコが,独特な観点で物語を解決していく。そしてそこに大きく振り回されるフードライターの不惑の女性を松本まりかが演じている。そもそも林真理子原作の小説らしいけれど,テレビ用に内容は大きく変わっているということである。

なぜ気楽に番組を観ていられるかというと,結局のところ番組の建付けが中島ハルコを黄門役とした「水戸黄門」となっているからなのだ。相談をもちこまれた問題を中島ハルコが解決して一件落着,すっきりと番組が終わってくれる。ちゃんと中島ハルコのそばには助さん格さんに相当する2名の事務長と秘書(?)が控えているし。

実は今回で第3シリーズとなる。たぶん人気があるのだろう。物語のフォーマットは「水戸黄門」ではあるが,解決する問題は「ロマンス詐欺」「後継者問題」「地域振興」「国際結婚」など現代的なものであり,それもハルコ独自の価値観から解決されたりするので,面白い。また,第1シリーズは名古屋が舞台で,第2シリーズは岐阜,そして今回はタイも舞台に含まれていて,それぞれ雰囲気が変わって飽きさせない設定になっている。

松本まりかの演技が,シリーズを経るごとにますますコメディよりになっているのがちょっと気にかかるけれど,彼女が語り部役割となっていて視聴者に解説してくれて物語がわかりやすくなっている。また彼女は,第1シリーズで不倫から立ち直り,今シリーズではロマンス詐欺から立ち直り,と不幸のどん底からいつも立ち直っていく物語になっているので,感情移入もしやすく,人気の理由になっているのだろう。

あるとき,名古屋に行った際に,この中島ハルコの舞台のポスターを見かけた。舞台化もされているらしい。大地真央の舞台は華やかだろうなぁ,と観てみたい気がする。

第3シリーズももう半分は過ぎているのだろうけれど,いまから第4シリーズも期待したいものである。深夜に気楽に観られる番組って,生活に案外に大切な役割を果たしているのだ。

#某消費者金融のCMの「今野」役の人も出ていて,ところどころCMをにおわせるメタなネタを入れてくるのも面白い。


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