学生がマスコミ情報を無批判に受け入れる傾向は
最近特に強くなってきているように感じられる.
疑うことをあまりしない.
いや,疑うことが面倒くさい,という感じである.
今はスピリチュアリズムが大ブームである.
私はこれを危惧している.
スピリチュアリズムというのは,
やはり非科学的なものであるのだが,
それが存在することについては私は否定はしない.
宗教だって歴史の中で大きな役割を果たしてきたわけだし.
しかし,テレビや雑誌などで取り上げられていることを
無批判に受け入れるという姿勢はいただけない.
なぜそれを本当だと思うのだろうか.
テレビや新聞が取り上げる情報が
すべて正しいとは限らないのではないだろうか.
江原さんの番組を先日目にすることがあった.
「う~ん,それはお母さんです」
とタレントの亡くなったお母さんが霊となって,
タレントの身に不思議な現象を起こしたのだと断言していた.
この世の中には不思議な現象があることは私は否定しない.
物理的か心理的かわからないけれど,
人間がそう感じる不思議なことってあるだろう.
しかし,その理由が霊であるということは
どうやったら調べられるのだろうか?
例えば上記の江原さんの断言について
真偽を確かめることができるのだろうか?
そうしたことを学生のみなさんには考えてほしいと思う.
結局のところ,江原さんの人柄を信じ,
結果,彼の言を信じるということではないだろうか.
しかし,彼の人柄というのもマスコミが編集の力で
作り上げたものかもしれないのだ.
もちろんそうでないかもしれない.
だが,そうした可能性があるということを
忘れてはいけないと思う.
また信頼できる人の言葉だからと言って,
すべてが正しいわけではないことも
覚えておく必要がある.
マスコミの報道というものは,
その真偽を確かめるのが非常に難しい.
ニュースであっても,疑ってみる必要はあるのだ.
そう思うと,そうした思考を
日頃から心がけてはどうだろう.
ときには教科書に書いてあることだって疑ったって良い.
ただその真偽を確認すればよいだけのことである.
(それは結構難しかったりする.
またデータがねつ造されている論文もあることだし)
そうした思考方法を科学的な態度の根本において
私たちは行動をする必要がある.
それが社会に対する私たち理工系であるものの
責任であると思う.
2007年10月18日木曜日
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