「ヤマトか...なにもかもみな懐かしい...」
ととりあえずつぶやいてみる.
ヤマトが盛り上がっていたのは私が小学生の頃だから,
もう30年位前の話になるのだろう.
地球のために命をかけて,放射能除去装置コスモクリーナーを
14万8千光年の彼方のイスカンダルまで取りに行くという話は,
いまだに心惹かれるものがある.
ヤマトでは特に最初に地中からゴゴゴと
宇宙に飛び立つシーンが大好きである.
巨大な爆弾が迫ってくる状況で,
冷静にエンジンを立ち上げていき,
主砲によって爆弾を破壊する.
そして煙幕の中からヤマトが宇宙へ飛び立っていくのである.
今でも胸がワクワクする.
ヤマトの最強の武器といえば,波動砲である.
初めて使用したときには,オーストラリア大陸と同じ位の
大きさの浮遊大陸を吹き飛ばす位の威力がある.
この発射音がカッコいいのだ.
徐々にエネルギーがチャージされていく音がして,
音が最高に高まると,ビームが飛び出していき,
轟音がするということになっている.
この轟音が一種のカタルシスを生んでいる(いいすぎ).
しかし,実は宇宙空間では音はしないはずである.
なぜなら音を伝える媒質である空気がないから.
衝撃波も伝搬しないのである.
あの効果音はたぶんヤマトの乗組員しか
聞こえていないのだろう.
しかし,宇宙空間での交戦のシーンでは,
ビームを撃ち合う音がする.
実際もしもそんなことが起こっていたとしたら,
多分第三者として見ている私たちの耳には
何も聞こえず,まるで無声映画を見ているように
なるだろう.
(ガミラスの艦隊と交戦するように向かい合うと
なぜか艦隊の並ぶ平面がヤマトを起点とする
水平面といつも一致するのもおかしい,とか
ケチをつければ山ほどあるのだけれど)
スターウォーズだって,スタートレックだって,
宇宙空間に音はしないのである.
銀河英雄伝説のように宇宙空間に
マーラーの交響曲第3番は響かないのである.
たしかゴーショーグンというアニメだったと思うのだけれど,
敵がクラシック音楽を流して現れる,という設定になっていて,
そのために宇宙に音を伝える媒質をまず流す,という
バカバカしい話になっていたと思う(素敵なギャグである).
しかし,そんな媒質,たぶんそれはガスだと思うけれど,
それを宇宙空間を満たすほど流すというのはほとんど無理である.
引力も無いところに放出してもすぐに拡散してしまうだろう.
そう思うとガンダムのミノフスキー粒子もおかしい.
ミノフスキー粒子が空間に存在するとたしかレーダーが
効かなくなるのではなかったっけ?
だから白兵戦用もモビルスーツが
開発されたという設定だったような...
しかし,そんな粒子をばらまくなんてどれだけ大変か...
拡散速度を考えてみればいいと思う.
拡散速度がおかしいといえば,映画の「トータルリコール」である.
シュワルツェネッガー演ずる主人公は,火星の空間に
生身のまま放り出されるけれど,間一髪リアクターと呼ばれる
酸素発生装置が起動され,火星は酸素に包まれて
死を免れるという話なのである.
放り出された瞬間,シュワルツェネッガーの顔はCGで
変形されるようになっているけれど,実際にそんなことがあったら,
一瞬で身体が膨張爆発するのではないだろうか.
リアクターが起動して酸素が火星を包むまでに一体
どれだけの時間がかかるというのだろうか...
と思いつくままにくだらないことを書いてきてしまった.
こう考えると「2001年宇宙の旅」はすばらしい.
宇宙のシーンでは音はしない.
クラシック音楽が流れるだけである.
無重力の無音空間にふさわしいのはクラシック音楽なのである.
この映画で有名なのはR.シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」の
冒頭なのだろうけれど,私はリゲティのレクイエムも好きである.
そういえば,私のライブラリにはなかったような...
今度購入してみよう...
#リアリティに徹底的にこだわったキューブリック監督だったけれど,
宇宙船の航行シーンにおいて背後の星が移動するという演出だけは
仕方なく取り入れたらしい.
(あのスピードでは星は動かないように見えるはず)
確かに背後の星が動いていなかったら,
宇宙船は単に止まっているようにしか見えないだろうけど.
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