2017年4月14日金曜日

友達のフリをしているけれど,本当はこの人大嫌い

今朝のラジオ番組で,大学教授でもある作家の高橋源一郎さんが興味深い話をしていた.大学の講義で,受講している学生たちに,だれにも言ったことがない秘密を書いて提出するようにと課題を出したのだという.しかし,その回答では多くの学生が同じ内容を書いてきて,それも3年ほど同じ課題を出したけれども毎年同じ答えが最多数だったので,もうこの「秘密」の課題を出すことはやめたのだという.

私はその多くの学生が抱えているという「秘密」とはなんなのだろうと興味津々で耳を傾けていて,その答えを聞いてなるほどと思った.その「秘密」とは

友達のフリをしているけれど,実はその友達が大嫌い

ということだったらしい(ラジオから聞いたので語句は正確ではないけれど,だいたいこのような意味だった).私はなんと現代の若者らしいのだろうと思った.

現代の若者は,「リア充」アピールというのに忙しいようだ.当然,「友達については多くいたほうが良い」という価値観が共有されていて,「友達とこんなところに遊びに来ました!」などとアピールするために写真をSNSにアップしている.そうでもしないで,友達が少なくて寂しい奴と思われるのが嫌なのだろう.

少し前には,「ぼっち飯」がだめで,ひとりでトイレで弁当を食べている学生がいるなどと話題になったけれど,やはりこれも友達がいなければだめなヤツだという強迫観念に支配されている若者の例である.「らしい」と当時も思ったものである.

「友達は多く持たなければいけない」「いい人でいなければならない」という強迫観念のために,本当は嫌いな人とも友達のふりをしつづけなければならないなんて,なんて住みにくい世の中になったのだろうとため息をつきたくなる.それでいて「友達はいなくたっていい」などと人と異なる価値観を持つことを強く嫌がっている.結局どちらにいっても地獄である.現代の若者は本当にたいへんである.絶対に今の時代には若者でありたくないと思う.

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