今期もテレビでは探偵モノが大流行である.
しかし,つくづく呆れるのは,探偵は変人であるという設定が多すぎること.確かに普通の人が探偵だったとしても,物語上面白くないし,そんな人が突然すごい推理をしても逆にリアリティがないような気もする.
でも,例えそうであっても...とひとつやふたつ文句も言いたくなる.
最近の探偵の設定で言えば,貴族,骨マニア,マッサージ師,謎の大金持ち,大学の超天才准教授,はては小学一年生などで,とても現実世界にありえない人たちが推理を披露している.
まあ,昔から探偵は変な人が多くて,シャーロック・ホームズなんて変人の最たるものだし,ポワロも少しおかしい.日本人だと,金田一耕助なんて人もいて,やっぱり変人である.
それでもまともな人も少なからずいて,ミス・マープルや浅見光彦,キャサリンなんてところは内外の普通の人の代表だけど(頭脳は普通じゃないけど,性格がどちらかといえば普通という意味.マザコンとかは普通の範疇に含まれるとして),私が最も素晴らしいと思うのは,なんてたって明智小五郎である.この人はもう完璧.美貌に名声,そして頭脳とすべてを兼ね備えている.しかし,探偵小説の世界ではこちらの方がたいへん珍しいのである.
一方,刑事ものについて考えてみると少し毛色が異なる.せいぜいしつこい性格に問題があるという人がいるくらいで,正義感あふれる直情派か,逆に涙もろい人情派か,あるいはチーム戦であったりして,真面目な主人公の設定が多い(あるいはドジか).変人が刑事をやるという設定自体がそもそも現実味がなさすぎて成り立たないのだろう.
さてさて,私が好きな探偵は,明智小五郎,金田一耕助あたりなのだけれど,一番は誰?と言われると実のところフィリップ・マーロウかな.そして,工藤俊作.頭は使わなくともハードボイルドが私の憧れなんである.
2017年4月24日月曜日
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