2017年4月4日火曜日

映画の楽しみ

映画(DVD)を昨年は63本観たわけなのだけれど,映画はやっぱりいいなぁ,というのが1年を通じた感想である.

本は読んでいて想像力が自分の思い通りにはたらく自由がある.舞台は自分でどの役者に注目するか,その自由がある.しかし,映画はその自由が少ない.監督が場面を切り取ったようにしか観ることができない.つまり監督の意向を強制されるわけなのだけれど,その不自由さが悪いかというとそうではなく,実はそこが映画の楽しみでもある.クラシック音楽のバイオリニストのようなソリストの演奏のように,その人のアイデアを楽しむ.だから映画は面白い.強いてあげるならば漫画が近いのかもしれない.

もちろん映画の魅力はその他にもあって,たとえば自分で想像するしかなかった場面が存在するかのように目の前に広げられることがすごい.たとえばスタートレックやスター・ウォーズ,インデペンデンスデイのような宇宙戦争.パシフィック・リムのようなロボットもの,ゴジラの怪獣,これらは映画でなければあそこまで楽しむことができないだろう.なかでも一番映画らしいと思うのが,ホラー映画.現実に起こったら大変なことになる凄惨な場面も映画だから安心して楽しめる.ゾンビが町を埋め尽くすなんて,映画でなければあんなに具体的にイメージ化できない.最近はゾンビも全速力で走るのだから,どんどん新しいアイデアで恐ろしい状況が映像化されていく.

つまり映画というのは,実は他人の想像物を楽しむものなのかもしれない.


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