2007年10月4日木曜日

他分野の学問で自分のポテンシャルを高める

大学に来て痛感したのは,
教員とは総合的な知識が要求されるということ.

単に自分の専門だけ研究し,
論文を書けばよいというものではない.
以前の研究所にいたころ,
視野が狭くならないようにと気をつけてはいたつもりだったが,
やはりそれなりにタコつぼ的な研究生活だったようだ.

自分の専門を深く掘り下げることも必要だが,
他分野の学問,研究も大いに参考になることが多い.
こうした間口を広くとっておくことが,
研究者としてのポテンシャルを高めることになるのだと思う.

しかし,最近の学生には自らその間口を
狭めている人が多いように思う.
博士課程の学生などには,自分の専門分野でなければ
発表を聴かない,あるいは議論に参加しない人も多いと聞く.

そうでなくても,修士課程や学部生であっても,
自分で間口を広げて,いろいろな学問を経験してみようという
気概をもった人が少なくなりつつあるようだ.

要は,楽して単位が取れれば良い,との考え方に尽きる.
しかし,自分の将来のポテンシャルをあげるためには,
大学での学問は非常に有益である.
専門以外に幅広く見聞を広げることができるからである.

専門などは自分が就職してから嫌というほど勉強させられる.
そもそも自分が現在やっている研究と就職してからの研究が
一致することなど,そうそうあり得ないのである.

と考えると,現時点で自分の研究はこれです,と線を引き,
他分野の知識を拒絶するなどという態度は,
決して賢いものとは言えないだろう.

大学時代は本当に恵まれている.
講義さえ出席すれば,第一線の知識を
やさしく教えてくれる先生がいる.
質問をすれば答えてくれる先生がいる.
この素晴らしい機会を逃してはいけない.

自分の専門ではないといって耳をふさぐのではなく,
他分野の講義にも積極的に参加しもっと耳目を広げて,
将来の自分のために投資してはどうだろうか.
して無駄になる勉強というものはそうそう無いものである.

0 件のコメント:

コメントを投稿

桜を見ると思い出す

桜が満開である。 研究室でも花見BBQが行われ、まさに「花より団子」 、学生はだれも桜など見ずにひたすら食べることに集中していたけれど、食べづかれた私は桜をぼんやりと見ていた。 学生の一人が 「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」と梶井基次郎の文章 を話していたので、そういえばそ...