2007年12月13日木曜日

管理するプロジェクトで忘れてはいけないこと

昨日は,紫翠会の例会とその忘年会に出席する.
紫翠会というのは,関西の大学と企業の情報交換を目的として
開催されている研究会で,昨日は第811回目の例会であった.

ほぼ毎月の開催だから,1年で11回.
すなわち70年以上の歴史があるということだ.
昭和6年から始まって,戦時中も休むことなく継続されているという
非常に歴史ある会なのである.
(唯一,休会となったのは5.15事件(いや,2.26事件だったかな?)
のときだけだということである)

昨日の講演は,会社内の情報セキュリティマネジメントに関するものだった.
印象に残ったことが2つあった.

ひとつは,管理するために決定されたことを
100%実行するためには,時間がかかるといこと.

これは,情報漏洩防止のために各人のPCについて,
チェックを行うことを管理する部署が定めた.
しかし,これをすべての社員が実行するまでに
非常に時間がかかったのだという.
ただし,9割の社員の実行を確認するまでには,
さほど時間はかからなかったのだという.
残りの1割(病欠とか海外派遣などの事情も含めて)の
社員において実行を確認するまでに,
なんと1年を要したのだという.
100%の完全実行がどれだけ難しいかということを示している.
よく簡単に「徹底する」というが,
その遂行に関わる困難性は想像をはるかに越える.

ふたつめに印象に残ったことは,
管理するルールを決める際に
「守れるルールを作る」ということを念頭において
作成された言う話.
作ったルールを守るということは当然なのだが,
ルールは作っても守られないことが多い.
それは,ルールが最初から守られないように
作られているからに他ならない.

誰もが守るルールとは,
守るという行動を起こすためのハードルが低いということであり,
そうした行動においても効果が十分に得られるような
ルールを作成する,ということが
最も重要であるということではないだろうか.

昨日のこの二つの話は,
何かを管理するということについて
重要な示唆を与えている.
忘れないようにしたいものである.

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