2007年12月17日月曜日

選択のルールと自由

私も(少し前に)40歳になった.
「不惑」の歳である.

もちろん,全然「惑わず」などということはなく,
今も人生を迷い続けているわけだが,
これまでいくつかの岐路に立ったとき,
どちらを選ぶか,ことに関しては,
ひとつのルールがある.それは,

「難しい方を選ぶ」

ということである.
簡単なことと難しいことがあったら,
難しい方を選べ,ということである.

これは,学生時代の恩師S先生から
伺った言葉だったかもしれない.
難しい方を選べば,あとで後悔が少なくなる.

「若者は安全株を買ってはいけない」

という言葉もどこかで読んだ覚えがある.
私は既に若者でなくなってずいぶん経つけれど,
いまだにこの言葉を選択のよりどころとしている.

なぜ突然こんな話を書いたかというと,
最近,村上春樹の「東京奇譚集」が文庫化されたので,
購入して読み終えたのである.
その中の「偶然の旅人」という短編の中で主人公が
どうしたらいいのかわからなくなってしまったときに
しがみつくルールとして,

「かたちあるものと、かたちのないものと、
どちらかをえらばなくちゃならないとしたら、
かたちのないものを選べ」


と話す箇所が妙に心に残ったのだ.

人生は選択の連続である.
映画「マトリックス」でも選択(Choice)の重要性が
繰り返し表現されている.

行くに易い道を選ぶこともできるし,
長く険しい道を選ぶこともできる.
いずれにしろ,どちらの道を選ぶのかを決定するまでは,
その自由は自分のうちにある.
それって,ずいぶん素晴らしいことなのではないかと
最近あらためて思う.
大人になるということは,
この自由を手に入れるということなのかもしれない.

選択に迷うときは,本当に困ってしまうのだけれど,
それは私がもつ自由の表れのひとつなのである.
ただ,そう思えるのは,
その選択を終えてしばらく経ってのことで,
悩んでいるときにはそんな余裕はない.

これからもずっと人生の選択は続き,
優柔不断は私は悩み続けるのだと観念している.
「不惑」の40歳を過ぎても,それは変わらない.

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