やっぱり2月になるとなかなか忙しいなぁ.
まぁ,いろいろとあるわけですが,
息抜きもそれはそれで必要なわけで.
今日はマンガの話.
この数年,クラシック業界がそれまでになく
盛り上がっていたのだけれど,
そのひとつのそして大きな要因は,
「のだめカンタービレ」(二ノ宮知子)
であったに違いない.
クラシック業界は「のだめ」にどれだけ感謝したら
いいのだろうか.
もしも,このマンガが無ければ,
この世の中,クラシック業界はもっともっと
大変なことになっていただろう.
(そうでなくても,関西のオーケストラの財政は
火の車らしいけれど)
もちろん,テレビドラマも素晴らしくて,
映画化もされているのでご存知の方も多いだろう.
(あのテレビドラマは決して原作に負けていない.
非常に稀有なドラマである)
実は昨年連載がとうとう終了してしまっていて,
先日,最終巻23巻を私も読み終えたのである.
最後は意外とあっさりした終わり方だったけれど,
それはそれでよかったのかもしれないとも思う.
作者はいろいろと体調を崩したりしていたようだし,
考えることがたぶんあったのだろうと思う.
こうした人気漫画は作者がやめたくても
編集部がやめさせてくれないことが多々あるけれど,
(そんなマンガ,数え切れないほどあるよね)
今回は作者の希望通りとなったのだろう.
やめさせてあげた編集部も偉いと思う.
しかし,本当に面白かったなぁ.
音楽関係の人に聞くと,多くの人があの通りだ,という.
そんな業界なのだろうか.
アーティストはやっぱり変な人が多い?
そんな疑問に答えてくれるのが,
「ボクたちクラシックつながり
ーピアニストが読む音楽マンガー」(青柳いづみこ,文春新書).
文筆家でピアニストの青柳いづみこさんが
近年のクラシックを題材にしたマンガを読み解いて,
一般人が想像もつかないクラシック業界を紹介してくれる.
結局,「のだめ」どおりなのだという.
やっぱり変人,いやすごい人が多いのだ.
青柳さんには「ピアニストがみたピアニスト」という
これもまた大変興味深い著書があって,
そこに紹介されているリヒテルのエピソードなどを読むと,
本当に天才という人間がいるのだということを思い知らされる.
こうしてクラシックへの興味が深まるということが
「のだめ」のもたらした素晴らしさなのだ.
CDショップに行っても,「のだめ」関係のディスクが
一番目立つところに飾ってある.
(この前までは,クライバーンコンクール優勝者の辻井伸行さんと
「1Q84」関係のシンフォニエッタが目立っていたのだけれど)
一体どれだけの若者が,クラシック音楽に興味を
持ってくれたのだろうか.
業界の人は,「のだめ」作者の二宮さんに足をむけて
寝ることはできないだろう.
(私も感謝である.クラシックファンが増えなければ,
CDショップのクラシックコーナーがどんどん狭くなってしまうのだ)
「のだめ」効果でコンサートへ足を運ぶ人も増えたらしい.
マナーが悪い人も増えたというけれど,まぁ,それはこれから
マナーを身につけていただければいいわけで,
とにかく間口を広げてくれたのだ.
そんな「のだめ」ももう終わり.
番外編も予定されているというけれど,たいへん寂しくなる.
次はどのマンガを読めばいいのだろう.
はぁ,とため息をつくのである.
#マナーが悪いというのは別に「のだめ」のせいではない.
今日もNHK-FMでN響の演奏会の生中継をやっていたけれど,
ビシュコフ指揮のマーラー5番が終わるや否や,「ブラボー!」の声.
「ブラボー野郎」と呼ばれる忌み嫌われるヤツである.
もう少し余韻に浸ればいいのに.
(たとえ盛り上がる5番であってもだ)
そんなヤツは「のだめ」ブームの前からいる.
まぁ,「のだめ」のテレビドラマみたいに,
演奏会で頭を振りながら音楽を聴く人はいなかったけれど(笑)
2010年2月12日金曜日
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