2008年10月16日木曜日

この人間という精緻なシステム

月曜日停電で,仕事ができなかった余波が,
いまだにデスクに及んでいる.
すべての仕事が,後ろ後ろにと
追いやられているような気がする.
(昨日もブログを更新できなかった)

こうした状況になると,
ついつい「やらねば」という
過剰な緊張状態となって,
自分のパフォーマンスに
悪影響を与えるようになることが多い.
テンパってしまって,
逆に仕事の進め方にブレーキをかけるのだ.

自分のパフォーマンスが最大に発揮されるのは
以前にも書いたが,適度なリラックスと
集中が共存した状態にあるときである.
(これを私が稽古している武道では,
「心身統一」と呼び,他では
「ゾーン」とか「フロー」とか呼ばれる)

今回のように,過度な緊張,使命感に
襲われるときは,私は,これで自分がテンパっても

「世界はなにもかわらない」

と思うことにしている.

人間の心の状態は,ほんの些細なことで,
非常に大きく変わってしまう.
例えば,彼女に一言でふられたとする.
物理的には世界はなにも変わっていない.
しかし,そのたった一言の情報が,
私の心というシステムに入力されただけで,
システムの状態は大きく変化し,
そのパフォーマンスが落ちてしまうのだ.

よく世界が一瞬で変わった,という話を聞くが,
変わったのは自分であって,世界は変わらないのである.
逆に言うと,自分の心の状態がどれだけ変わっても,
世界は変わらない.
世界は粛々としてその営みを変わらず続けるのである.

自分の心の状態は,環境の影響を受けるけれど,
基本的には独立に制御できるはずである.
そして,そのきっかけとなるのは,
ほんの些細な情報入力があればよいのである.

朝に少し音楽を聴くだけで,一日を気分よく
過ごすことができる.
これも少しの音声信号が耳から
入力されただけの結果である.

こうした少量の情報によって心の状態が変化し,
ひいては内臓の具合や,運動や頭脳のパフォーマンスにまで
影響を与えてしまう.
人間というのは,なんという精緻なシステムなのだろう,と
あらためて感心してしまう.

だから,非常に差し迫った状況であっても,
自分の心の状態によって,その状況は改善しないのだから,
最大のパフォーマンスが発揮できるよう,
リラックスしてその状況に臨むことが大切である.

この稽古の究極が武道であると私は思っている.

とはいえ,まだまだ修行不足.
この心と身体という精緻なシステムを
うまく制御することができない.

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