プレゼンの印象を高めるのに,
重要なのは話し方である。
まず,声の大きさ。
プレゼンにおいて声が小さいのは本当に良くない。
(小さい声が好ましい場合も
ごく稀にあるけれど)
もちろん狭い空間で大きすぎる声も良くない。
つまりは,その空間に応じた声の出し方が必要なのである。
会場に入ったら,まずその広さを確かめよう。
マイクがない場合は,
一番遠くの人に声がまっすぐに届くように,
自分の声の大きさを調整しよう。
(この「まっすぐ届く」とイメージすることが大切なのである)
最初の一声で,一番遠くの人の注意がこちらに向いたら,
声の大きさの調節はOKである。
マイクを使う場合も,スピーカの音量と
マイクと口との距離,そうしたものを考慮しながら
声の大きさを調整する必要がある。
次に声の質。
くぐもった声,キンキンとした声は
なるべく避けるようにする。
(自分の声質もあるので,調整には限界もあるが)
マイクを使った時に多いのは,
まるでクラブ歌手のような甘い声を使ってしまうこと。
会場から失笑がもれる。
話し方の速さも大切である。
丁寧に説明したいとこは,ゆっくりと大きく,
フレーズ,フレーズを大事に話す。
一方,少し感情的なところを強調したいときは,
少し早めに話してもいい。
声の大きさ,話す速さで,印象をコントロールする。
はきはきとした滑舌の良さも必要だ。
語尾が小さくなる話し方の人も多いが,
文章の最後まではっきりと話そう。
自分の話したいことを明確に伝える努力は必要だ。
ただし,あまりに立て板に水で,
スラスラと話しすぎると逆効果の場合もある。
意外に朴訥に,ポツリポツリと話した方が
相手の心に言葉が届くこともあるのだ。
相手の反応を見ながら自分の話し方を変える必要がある。
これをCalibrationという。
この辺になるとかなりコミュニケーションの
テクニックになってくる。
そして,リズム。
意外に注意しない人も多いが,リズムは大切である。
抑揚,緩急,そして間(休止)。
これらがリズムとなって,心地よい話し方になる。
リズムが一番大切ではないかと私は思っているくらいである。
落語家の話し方は本当に参考になることが多い。
よく言われることだが,講演の名手と呼ばれた
小林秀雄は,古今亭志ん生にそっくりな話し方だったという。
(小林秀雄は彼を真似て練習したらしい)
素晴らしい話し手は,
まるで美しい音楽を聴いたかのような印象を与えるものである。
プレゼンの目的は印象を良くすること。
そして聴覚情報が,相手に与える影響の40%も占めるということを
理解すれば,話し方を練習することの重要性もおのずとわかるものである。
私もまだまだ精進,精進。
(昨年の大学の吹田祭で,桂文珍さんの落語を聴いたが,
会場の全員を惹きつける話術に本当に感激した。
話の方は,もちろん涙が出るほど笑ったけど)
2007年7月6日金曜日
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