2007年7月2日月曜日

実は体育会系は苦手

体育会系出身の学生は心遣いができ,
就職に有利,という記事を書いたけど,
実のところ,私は体育会系は苦手である。

あの封建的な雰囲気,
先輩たちの無謀な要求と後輩たちの蔭口。
体育系だというだけで
学内を肩で風切って歩いているような気がする。
(すみません,イメージで語ってます)

先日も体育館の近くでミーティングをやっているサークルがあり,
キャプテンと思われる人が,重々しく訓辞をし,
他の人が後ろに手を組んで不動の姿勢で聞いていた。
もう見た感じからして拒否してしまう…

そうした雰囲気だったら,
やっぱり体育会系は苦手なのである。
実際は,もっと汗と涙にあふれた
素晴らしい部活動なのだろうけど。

こんなことを書いておいて,申し訳ないのだけれど,
私も実は学生時代(9年間!),体育会合氣道部に所属していた。
主将も務めたりもしていた。
(たしかくじ引きかなんかで決まったような気がするけど)

だから私は,部がそうした体育会系の雰囲気にならないように努力した。
以前からこの部はそうした雰囲気があまりなく,
リベラルな感じで,とても居心地がよかったので,
大したことはしていないのだけれど。

まずは武道をやっているとありがちな,
肩で風切って,座れば胸を張って座るような,
そんな態度は軽蔑される。
言葉遣いも,「オスッ」などの言葉は全く使わず,
みな普通である。
(ちなみに私はこの押忍という言葉が大嫌いである)
立居振舞は荒々しくなく,
とても武道を稽古しているようには見えないことが理想である。

先輩と後輩との関係も,まぁいろいろあるけれど,
リスペクトを忘れない。
敬語などの問題もあるけれど,それを強制的には指導しない。
そもそも敬語などは尊敬の念から自発的に使うものであって,
それを口に出して人に強制するところからおかしくなってしまう。
そっと,謙虚に扱うべき話なのだ。
そうした謙虚さを身につけるからこそ,
就職にも有利になるのだと思う。

そもそも礼儀作法というものは,
自分の身を守るために従うものである。
もちろん,もともとは相手のことを思いやって,
その結果生まれる行動なのだが,
その思いやりの結果であるべき行動が
非礼・無礼・失礼であった場合,
大変な問題になることがある。

武士の時代。
礼儀作法を間違えることは,最悪の場合生死の問題につながるものであった。

忠臣蔵においても吉良が浅野に嘘の礼儀作法を教え,
浅野にひどく恥をかかせたことになっている。

あるいは,日常においても
武士が刀を腰から外して座る場合,
その刀を自分の左右のどちらに置くか,
そしてその時刃の向きをどちらにするか,
そうしたことで,その武士の相手に対する心が知れることになる。
(抜刀のしにくさの順に相手に対して礼を尽くしている)

現代でも,箸の置き方一つで,
相手に大変失礼にあたることもある。
ある世界ではそれだけで抗争の種になることもある。

そうした誤ちをなくすために不文律で成り立ってきたのが
礼儀作法なのである。
その定めれらた範囲内で過不足なく行えば,
自分の身が守られるのだ。

しかし本来礼儀作法は相手への尊敬の念から自発的に行われるべきものである。
そうしたことを学ぶのに体育会系は適しているのであろうと思うのであって,
決して体育会系をすべて礼賛しているわけではない。
そう,体育会系出身の私は思っているのである。

#最も体育会系的な部活。それは意外に吹奏楽部ではないかと思うのだけど…

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