さて,プレゼンにおいては,学会発表などの
発表自体はそれほど難しくない。
なぜなら,練習すればするほど上達するからである。
立ち位置,間の取り方,ポインタの使い方など,
3回も練習すれば自分のものにできるだろう。
(いってみれば演劇の舞台稽古である)
しかし,練習だけではうまくいきにくいのが,
質疑応答である。
面接試験においては,これが一大事となってくる。
これだって,まぁ練習がものをいうのだけれど,
想定外の質問が来ることだってある。
それに対して気の利いた答えを,
余裕をもって答えることが
要求されるのである。
*ちなみに私が以前所属していた研究所では,
昇進試験の面接のために,想定質問を100問
用意して練習するとの話を聞いたことがある。
そこまでやってもうまくいかないこともありうるのだから,
本当に大変なことである。
回答そのものは,自分の考えを述べるのだから,
内容についてはここでは触れない。
しかし,その答え方は重要である。
面接試験や学会発表においては,
質疑応答の時間は限られている。
質問者は,発表者にダラダラと
答えられることが堪えられないのだ。
時間だけが浪費されていく。
短時間で的確に相手の質問に
過不足なく答えることが大切なのである。
そこで,テクニックとしては,
「結論先行主義で答える」
ということである。
ある質問に対して,「Aである」という意見を述べる場合に,
「~は***で,~は***であり,
そのため,***であるので,
私はAだと思います:
などと答えられると,質問者はイライラとし始める。
結論までの時間が長いのは許されないのだ。
したがって,
「私はAだと思います。
なぜなら,それは,~は***で,~であるからです。」
くらいで答えられるのが良い。
私も,以前所属していた研究所では,
「回答は一文で。そしてその理由や付随説明を3行くらいで述べろ」
と教わった。
新聞も,TVのニュース原稿も,結論先行主義である。
リーダと呼ばれる概要を簡潔に述べる部分があって,
そのあとに詳細な説明が付随していく。
聴衆者・読者は結論がわからず読み進めていくのは,
まるで行く先を知らされずに導かれていくようで,
不安になってしまうのだ。
だから,はじめに行く先,すなわち結論を提示する。
それから説明を付け加えていくのが良い。
レポートにおいても結論先行主義は守られるべきである。
特に段落やセクションのはじめの文章は重要で,
読者の行き先を提示する必要がある。
結論先行主義は応用先が広いのだ。
しかし,それが好ましくない場合もある。
たとえば,クライアントへの提案。
はじめから結論を示してしまうと,
プレゼンが進めば進むほど,盛り上がりが少なく,
結果として印象の悪いものとなってしまう。
(プレゼンは印象良くメッセージを伝えることが
目的であることを思い出そう)
小説でも最初に結末がわかっていては面白くない。
こうした場合は,盛り上がりを配分させて,
劇的なクライマックス(結論)に至るのが良い。
結論先行主義は,あくまでも
技術・研究・仕事関係の文章や,
質疑応答での話である。
だが,結論先行主義でパキパキと答える自分を
想像してみよう。
たぶん,ずいぶんと賢そうに思えるはずである。
質問者へのアイコンタクトと礼儀を忘れず,
結論先行主義で対応することができたら,
きっと成功は間違いない。
(もちろん,その前に答える内容だけれど)
2007年7月10日火曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
アイアンマン2
「アイアンマン」を観た あとに 「アイアンマン2」(2010年) を観た。「アイアンマン」がヒット作となり,続編が作られた。だいたい続編というのは面白さがいくぶん減るのだけれど,この続編は1作目に負けないくらい面白かった。 敵役を演じるのがなんといってもミッキー・ロークなのであ...
-
本ブログのコメントに, (電力)供給過多になるとなぜ、発電機の回転数が上がるのか というご質問をいただいたので, それについての回答を少し. (すみません,コメントいただいていたのに 気づくのが遅れました) 発電機の回転数は,個々の発電ユニットで見れば, 発電...
-
私が担当している「電気機器」という講義においては,「磁気回路」,「 直流機 」,「 同期機 」,「 変圧器 」,「 誘導機 」を取り扱う.「磁気回路」は機器ではないので,残りの4つの電気機械について学生のみなさんは勉強することになる.さてここで,「直流機」,「同期機」,「誘導機」...
-
Googleをはじめとして, 検索ツールなしでは仕事ができない, というところまで現代の私たちは来てしまった. 特に研究分野においては, 過去の研究のサーベイ,現在の市場調査, 世界の装置のリストアップなど, もう検索ツールの便利さ無しでは, 考えられない状況である. こうした状...
0 件のコメント:
コメントを投稿