正直に言う.
私は宇宙論がからっきしダメである.
理工系のはしくれとして職を得ているけれども,
ダメなものはダメなのである.
正確に言うと興味がない.
まぁ,勉強すれば面白いのかもしれないが,
とても勉強する気になれない.
超ひも理論?
なぜ素粒子に色の名前をつける?
宇宙がインフレーションして膨張した?
全然物理的イメージが湧かない私は,
やっぱり宇宙には向いていないのだろう.
昔(学生時代),ホーキングの宇宙論が大ブームになった.
私はアマノジャクで,流行しているものには手を出さない主義.
そのときも理工系の学生としては興味があったのだけれど,
ホーキングの本も読まず,雑誌「Newton」も読まず,
ちょっとモンモンとしていた.
ある日電車に乗っていると,ワンレン,ボディコン(死語!)の
女子大生が話しているのが聞こえた.
「宇宙の始まりであるビッグバンの前は,
虚数の時間軸があってね...」
もう強烈な文化的衝撃だった.
いまでもその時のショックは覚えている.
こんな女の子が虚数の時間の話をしているなんて!
(いまだに虚数の時間軸とは何なのかわからないのだけれど)
以来,もう絶対宇宙論には手を出さないと決めた.
たぶん彼女が本当の宇宙論がわかっていないことの可能性の方が高いだろう.
しかし,どこにでもいそうな女の子が
宇宙論を得意げに喋っているその姿は,
自分を省みるに十分なものだった.
私はあぁはなりたくない.
それがトラウマとなったのか,
宇宙論にはほとんど興味が湧かなくなった.
理工系の人に宇宙論が好きな方は多いのだが,
そのお話にお付き合いすることはできない.
またその人がどこまで理解しているのだろうと,
ついつい疑ってしまうのである.
ごめんなさい.
しかし,宇宙論はダメな私だけれど,
実はSFは大好きなのである(笑).
宇宙論への嫌悪は,
単に自分がそれを理解できないことへの
不満の裏返しだったりするかもしれない.
2007年7月31日火曜日
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