「クラシック音楽がお好きなんですか」と
尋ねられ,素直に「そうです」,と
答えることができなかった.
どうも気恥かしい.
私は,どんな音楽でもこだわりなく聴くのだけれど,
確かに所有しているCDの数は,
クラシックが圧倒的に多い.
でも,なにか「クラシック」というと
難しくて,お上品ぶっている
印象が少なからずある.
そんな風に思われるのが,ちょっと嫌なのである.
でも,私は,楽器は全然できないし,
楽譜も読めない.
単純に,ただ聴くだけのファンである.
だから,高尚ということでは全くない.
確かにクラシックというのは,
複雑な作曲技法が使われており,
それらを理解して曲を聴くことができたら
どんなに素晴らしいだろうかと思う.
作曲者の意図がより深く理解できるだろうに.
例えば,バッハのマタイ受難曲.
楽譜を見ると,バッハを表すB, A, C, Hの
音がちょうど十字架の中に埋め込まれているのだ
そうである.
そんなの単に聴いているだけからは,
全く想像もできない.
しかし,バッハがその曲に託した思いは
そうした話を知ることによって,
さらに身近に感じることができる.
やはり,楽譜は読めた方がよいのである.
でも私は,今後も楽譜を勉強しようなどとは
あまり思っていない.
(実は昔,いくつかの音楽理論の本を
購入したのだけれど,まともに読んではいない)
まぁ,そんなことをしなくても十分に曲を
楽しんでいると思っているから.
昨晩,車の中で聴いたヘンデルのメサイア.
ピノックの手による上品で清潔なこの演奏に,
心も軽くなり,うっとりとした.
今のところはそれで十分なのである.
楽譜を勉強するのは,また時間ができてから
ということにしよう(一体いつだ!).
しかし,理解が浅いという後ろめたさは残る.
それが,素直にクラシックファンですと
答えることができない,
ひとつの理由になっているのは確かである.
しかし,作曲者たちはそこまで聴衆に
理解してくれることを期待していたのだろうか.
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