核融合研究所に行く.
退職してからというもの,足を踏み入れたことがなかった.
約4年半ぶりの訪問である.
久しぶりに訪れる研究所は,
見た目は変わっていないようでいて,
その実,ずいぶんと雰囲気が変わっているように感じた.
昔からある建物はそのままなのだけれど,
中に居る人が変わっている.
いや,人が変わったのではなく,
その人たちの外見が変わったということなのだろう.
自分の顔は毎日見ている.
だから変化に気付きにくい.
研究所の一部の方々とは,委員会などでお会いしている.
だから,そうした人たちから感じる違和感は少ない.
しかし,本当に4年半ぶりにお会いした人々というのは,
変わっていないようでいて,
どこか別の人のような印象を持ってしまう.
外見のせいかもしれないけれど,
どこか中身も変わっているような,そんな気がするのは,
私の退職してしまったという立場のせいだろうか.
(しかし,本当に変わらない人というのもいることはいる)
日本の核融合のフラッグシップマシンである
JT-60の制御棟では,現在改造に向けた準備が
着々と進められていた.
そうした雰囲気が,どの部屋からも漂っている.
今回は,JT-60の電源・制御グループ,
超伝導グループのみなさんにご対応いただいた.
また,ITERの超伝導磁石グループの方にも
見学等でお世話になった.
本当にありがとうございました.
所内を歩いていると
これまで空き地だった敷地に,
新しいコイルの巻線棟の建設準備が進められていたり,
直線600 mを越える超伝導コイル導体の製作ラインの
整備が進められていたりするのを
目にすることが出来て,
JT-60改造に向けた推進力を感じた.
もちろん,実際に携わっている方々のご苦労は
大変なものなのだろうと想像されるけど,
しかし,前進することが大切なのだ.
前進する以外になにがあるのだろうか.
あちらこちらで,プロジェクト以外の
なかなか興味深いお話も聞けて,
大変勉強になった.
その一方で,私も頑張ろうという思いを
強くもつことになった.
私はもはや外部者となってしまったけれど,
プロジェクトのご成功を心よりお祈りしております.
その日の夕方は,前職場の同期の友人と
水戸の居酒屋で食事を一緒にした.
いやぁ,楽しかったなぁ.
仕事の話はほとんどしなかった(笑).
彼のHappy Newsをネタに,
思春期における経験の忘却の意味,とか,
過去の経験のリフレーミングと他人とのその共有の意味,とか,
なんだかわけのわからないことをずっと話していた.
やはり年代が一緒というのは,
思春期や学生時代の共通の時代背景を持つだけに,
話が通じやすい.
同じ年代に,同じ事柄を,違う場所で経験している.
それは実は大事なことなのだとしみじみ思う.
ホテルに帰ってゆっくりと寝た.
気づいてみると,あれほど悩まされていた咳が
ずいぶんと出なくなっている.
「転地療法」というべきか.
日常を離れることによって,
知らず知らずのうちに影響を受けている
社会・周囲の重力から解放されるということらしい.
治癒力がアップするのだろう.
今回の出張は,仕事にも健康にも有用な
転地療法となったらしい.
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