2008年12月17日水曜日

気合と号令

合氣道は基本的に無声である.
氣合は発しない.
氣払いなどにおいて
特別な時に発するだけである.

しかし,多くの武術・武道で気合は
多用されている.
なぜ気合は必要なのだろう.

その理由のひとつは,
自分の限界を超えることが
挙げられると思う.

人間の身体には,精神的限界と
肉体的限界がある.
基本的には精神的限界が
肉体的限界を下回る.
なぜならば肉体的限界を超えるということは,
身体が壊れることを意味するから.
だからその限界まである程度の余裕をもって
精神的限界が存在する.

しかし,勝負の場においては,
ほんの少しの差が死命を分かつ時がある.
だから少しでもいいから精神的限界を超えて
パフォーマンスを発揮したいのである.

気合を出す瞬間,
その限界を超えることができるのではないだろうか.
精神的な爆発を起こすことによって,
肉体がその限界を超えることができる.
そのことを経験によって先人たちは
理解していたのではないのかと思うのである.

もちろん精神的限界とは
身体に及ぼすものだけではない.
気合を発することによって,
恐怖感,ためらいを克服する.
そうしたことも重要な気合の意味であろう.

他人の気合に乗るということもある.
この意味で,号令というのは非常に大切である.
号令をかける人たちが,
そのパフォーマンスをのびのびと発揮できるように,
時には,彼らの限界を超えるように,
導かなければならない.
だからこそ号令者は上のが担当するのだ.

気合とは,声だけが目的ではない.
そのことにもっと意識を向けて,
行うようにしたい.

#とはいっても,合氣道では,
ほとんど用いないのだけれど...

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