2009年7月7日火曜日

クラシック音楽ファン道の始まり

本日は大学時代の先輩である
東京工業大学 O先生が大阪大学で
ゼミを開くという用でいらっしゃったので,
一緒にランチを楽しむことができた.

O先生は同じ研究室の学年がひとつ上の
先輩で,在学中いや卒業後もいろいろと
お世話になっている.

あれやこれやで,お世話になっているのだけれど,
例えば,現在私がクラシック音楽を聴き始めるように
なったのも,O先生のおかげである.
(それと,T先生のおふたりのおかげ)

以前にも記事に書いたけれど,
「ゲーデル・エッシャー・バッハ」という本から
バッハに興味を持って,買ったCDが
グールドの「ゴルドベルク変奏曲」(2回目の録音).
その後,カラヤン指揮のベートーベンの第九のCDを
購入したのだけれど,何から聴き始めたらいいのか,
いろいろ迷っていた.

そんなときにO先生とT先生が,手ほどきをしてくれたのである.
初心者には,標題音楽がわかりやすくていいだろう,
ということでお二人が私に貸してくれたのが,
ベルリオーズの「幻想交響曲」のCD 7枚(枚数は今でも覚えている).
ミュンシュ,クリュイタンス,カラヤン(だったかな)など
とにかく聴き比べてみた.
これが最初はハードルが高かった.
だって,一曲聴くのに約1時間かかるのだから...
その上,この曲はボリュームが満点で,
一度聴くとすっかりと満腹感を味わえるのである.

作曲家ベルリオーズが,恋に破れ,アヘンを吸った芸術家の
幻想を題材にしたもので,最後の方は,ドロドロの展開である.
夢の中で彼女を殺した芸術家は断頭台へと行進をする.
そして,処刑の場面.
ギロチンで首が落ちて転がるような描写がある.
その後は,ワルプルギスの夜の夢.
魔女や亡霊などと一緒にサバトで踊るのである.
グレゴリオ聖歌の「怒りの日」が主題となって,
狂乱の状態のまま,曲は終結.
壮絶な展開なのである.

最後まで聴くともうへとへと.
それを最初から7枚比べて聴いたのである.
(さすがに1週間くらいかかったと思うけれど)
そして,少し面白みが分かったような気がした.

その後もおふたりから,チャイコフスキーの第5交響曲や,
ラフマニノフ,ベートーベン等,とにかく名曲の録音を
たくさんお貸ししていただいた.
ずいぶんそれで興味を持つようになった.

そして極めつけは,O先生には演奏会に何度も
誘っていただいたことである.
サントリーホールに初めて入った時のドキドキ感は
わすれられないなぁ...
朝比奈のブルックナーとかコバケンのチャイコとか.
そうした経験が今も私をクラシック音楽に引きつけているのだろう.

今日,O先生と話をしていて,
そうした学生時代はもう20年も前になることに気づいて,
自分の歳を実感した.
クラシック音楽を聴き始めて,
もう少しで20年になろうとしているのだ.

生演奏を聴く機会はめっきり無くなってしまったけれど,
いつまでもクラシック音楽には興味を持っていきたいと思う.
いまでは,生活に不可欠なものとなっているのだ.
こうした世界に目を開いていただいたO先生,T先生には
心から感謝したいと思う.

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