2007年6月8日金曜日

理工系の生涯賃金は文系より平均5000万円安い

3月の教育シンポジウムで聞いた話。
毎日新聞の方の発表によれば,
理工系の生涯賃金は文系より平均5000万円安いらしい。
私はかなりがっかりした。
(まぁ私はメーカよりもずっと安い給料なのだけど)

どうしてこんなことになっているのだろう。
これでは理工系ばなれが進むのも仕方がない。
高校生だけでなく,大学生だって,
いや社会人だって理工系就職を考えてしまう。

どうもこの記事が毎日新聞の一面に掲載されたらしい。
だれが調査したのだ,と思ったら,
実は大阪大学の研究室が調査した結果らしい。
工学科長もこの件については
その教授に確認したというのだから,
結構ちゃんとした調査結果ということなのだろう。


調査をした教授からは,
働く年数を考慮すれば,文系・理工系も
ほぼ同じだなどという説明があったらしいが,
そんなことは関係がない。
5000万円といえば家が一軒建つ金額だ。
子供にかける教育費だって変わってくる。
ひどい話だと思う。

発表者の方がこういっていた。

「先生方はこの結果が気に入らないと思います。
私も,仕事は『やりがい』も考慮に入れるべきで,
単にお金で比較できるものではない,と思っています」


…???
そんなこと思う人がいるのだろうか?
少なくとも私はこの結果にかなりがっかりしている。
しかし,それよりも「やりがい」という言葉で
所得格差を認めようとするその考え方が気に入らない

シンポジウムでも近くにいた若手の先生方とかなり憤慨していた。

文系の人がよく言う,

「好きなことをやっているんだからいいじゃないか」

この言葉を聞くと私は怒りで髪の毛が逆立つ。

じゃぁ,文系の人たちはそれほど非人間的な仕事をしているのかと問いたい。
そんなに変わらないはずではないか。
理工系の仕事だってかなりしんどくてつらい。
どこが違うというのか。
私はそんなことをいう人をいつも問い詰める。

バブルのころ,ある雑誌に
各業界の部長クラスの生涯賃金の比較の記事が載った。

銀行:7億5~8千万円程度
電機メーカ:3億5~8千万円程度
重工:3億円程度

今でもその金額ははっきりと覚えている。
それほど衝撃的だった。
銀行とメーカでは2倍以上異なるのだ。
5000万円程度の話ではない。

モノづくり国家を目指すと宣言しているこの国では,
実は技術が安く買いたたかれているのではないか。

理工系が我慢しているのではないか。

なぜこれほどまでに差がでるのか。
この問題については,適宜このブログで
いろいろ考えていきたいと思う。

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