大学に入ると学生は勤勉さを失い,
功利的な行動しかとらなくなる,
と昨日書いた話の続き.
勤勉さを失うのは明らかに大学入学後であるが,
功利主義に支配されるのは,
良く考えると大学以前の
もっと早い段階ではないかと気づく.
以前からもこのブログでも書いているのだけれど,
現在は,小学校のころから
功利的な考え方に支配されてしまうような
システムになっているのではないかと思う.
例えば学業に限っても,
いかに効率よく(短時間で正確に)問題を解くか,
ということに終始している.
小学校の塾からしてそうである.
確かに現在の公立の学校の教育には不満が多い.
(私も小学生の親としてそう思う)
ゆとり教育にしても,別に勉強以外のことを
やれというのではあるまい.
授業で習うことの背景や広がりについて,
じっくり考える時間を持つということが
本来の目的ではなかったのだろうか.
今の若者世代はいかに効率よく利益を
得るかということに終始しすぎている.
そして親の世代がバブルだったために,
世の中の尺度をお金というフラットなものに
求めやすくなっている.
「いかにお金を貯めて,贅沢をするか,楽をするか」
そればかりを考えている.
また若者たちは自分たちの評価に非常にこだわる.
仕事についても分業を望み,
自分の成果が,他人と区別されて
明らかにならないような仕事は大変いやがる.
「こんな仕事をしたって何の得にもならない」と.
しかし世の中はそんな風に動いていないのである.
会社という組織で働く限り,
自分ばかりの功利を追求していては,
やっていけないのである.
それがわからない若者は仕事をやめてしまう.
明確に自分の成果を区別することができるのは,
例えばデザイナーなどの個人職だけであろう.
(それだって,周囲の協力がなければならない)
そして,そのうちに出てくるのが,
「自分の気持ち第一主義」である.
私はこの若者に蔓延している
傲慢な考え方が大っ嫌いなのである.
若い人たちが功利的な考え方に染まるのは,
社会システムがそのようになっているからに他ならない.
彼らばかりを責めるわけにはいかない.
根は深い.
しかし,なんとかならないものかと切に思う.
2008年2月27日水曜日
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