先日のギリシャ出張の際に
機内サービスで観た映画の話.
"No Country for Old Man"
コーエン兄弟による
トミー・リー・ジョーンズ主演の
映画である.
どうもアカデミー賞も何部門か
受賞しているらしい.
そんな受賞の話などは
知らなかったのだけれど,
この出張で観た映画7本の中で
これが最も面白かった.
まさにこの世は不条理である.
そうした世界が描かれている.
救いは全くない.
しかし,登場人物らは
非常に魅力的で,
悲しいかな,ほとんどの人物に
Bad Endが訪れるのだけれど,
それでも誰からも目が離せない,
そんな映画になっている.
ダーク・ヒーローとして
不気味な殺し屋シガーが登場する.
これがまた魅力的で,
彼の行動原理は理解できるような,
できないような,
そんな感じなのだけれど,
とにかく納得してしまう.
主人公の老保安官のトミー・リー・
ジョーンズも結局最後に
引退を決意する.
古き良き時代の話は,
今や昔話にすぎないことを
いやというほどこの事件で知るのだ.
映画のエンディングも
突然に訪れる.
「えっ?これで終わり?」
と思ってしまう.
しかし,その最後は今も心に残っている.
すべては不条理なのだ.
結局のところ,映画というものは,
ハッピーエンディングでなくてはならない,
というものではない.
救いがなくてもいいのである.
感動とは,どれだけ心の中に
その作品がひっかき傷をつくるか,
その傷跡を残すかだ,という話を聞いたことがあるが
まさにこの映画はひっかき傷を心の中に残す.
はっきりとしたメッセージは無いけれど,
感動は残った.
ひとにおススメしたいのだけれど,
やっぱり少しためらってしまう.
で,結局このブログで書いてしまったわけである.
2008年7月4日金曜日
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