核融合の分野では,若者向けの動画を作成して
YoutubeにUPしたりして,宣伝に努めている,
という話を昨日書いたら,
本日,"パワーアカデミー"のホームページが
できましたというメールが届いていた.
パワーアカデミーWeb Page
http://www.power-academy.jp/
パワーアカデミーというのは,
電気工学の発展を目的として,
産学連携と研究・教育へはたらきかけていこう,
と創設されたもので,
電力会社から構成される電気事業連合会が
中心となって運営されている.
どうして電力会社がそんな活動をし始めたか,
その理由のひとつに学生たちの電気工学に対する
不人気がある.
電気工学というと,もはや成熟した技術,
としたイメージが強いのか,
あまり魅力を感じてもらえないらしい.
やはり,ナノテク,バイオ,情報なんていう
最近新聞誌上を騒がすようなワードに
世の若者は心を惹かれるのだろう.
たしかにそれも仕方がない.
日本では,停電はめったに起きず,
電力はほぼユビキタス的に街中では使用できる.
毎日に不便を感じていない.
また,使用できてあたりまえの技術であり,
便利さも感じない.
すると,人々の関心は薄れ,人気もなくなっていく.
携帯電話も同様だろう.
携帯電話が登場したころは,皆その便利さに
夢中になって,通信業界は非常に人気があった.
しかし,今,やはり通信工学の学生たちの人気は低い.
電気工学だって,電気が家庭に普及し始めた頃は,
大変魅力的だったに違いない.
しかし,間違ってほしくないのは,
決して解決すべき課題が無いということではない,
ということだ.
電気工学でいえば,太陽光発電や風力発電,
燃料電池のような新エネルギーを用いた分散電源の
普及には電気工学が不可欠だし,
CO2削減,省エネだって,電気は主役のひとつである.
また,これから期待されている市場は
電気自動車である.
ハイブリッド自動車だって,パワーエレクトロニクスの
ような電気工学なしでは実現はできなかったのである.
なのに,なのにである.
学生たちには人気がない.
身の周りをみれば,電気工学があふれていて,
研究すべきことは山ほどあるのに,
それに目を向けようとしない.
電気学会で「電気」という言葉に対するアンケートを
とったら,「秋葉原」「オタク」などというイメージが
上位に来たのだという.
これは本当にショックだった...
これでは,人気が出るわけがない.
結局のところ,その分野の発展は,
人材の育成にかかっている.
優秀な人材が集まるような人気のある分野と
ならなければ,電気工学の将来は無い.
そうした危機感がパワーアカデミー創設の
背後にある.
このブログのタイトルにも「電気工学」という
言葉を使っている通り,私も電気工学には
なみなみならぬ思い入れがある.
どうか,電気工学の魅力がみなさんにつたわりますように.
(私も努力していきたいと思います)
2008年7月31日木曜日
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