2008年7月3日木曜日

宇宙時代は核融合 (世界の核融合リンクつき)

電力工学の講義では,なぜか私が
核融合について話すことになっている.

核融合には物理的な側面と
工学的な側面がある.

物理でいえばプラズマ.
電磁気学を駆使することになるし,
波や光や粒子,最近では複雑系みたいな
ことも話題になっている.
プラズマ物理は大変面白いらしい.

一方,工学でいえば,
超伝導,ビーム,電磁波,超高熱,材料.
すべてが最先端の技術である.
ずいぶん難しい.
ただし,だからこそ大変面白い.

たとえば電源システムとしても,
巨大な電力を制御するという観点で
非常に興味深い.
そんな巨大な電源システムは,
核融合か加速器か,
いずれも物理試験装置でしかない.

これらすべての話をすることは難しい.
今回は,核融合の原理,方式,
発電のしくみなどの説明がメインである.

それでも学生たちは核融合と聞くと,
興味深く聴講してくれるようである.

核融合というのは,夢のエネルギーである.
だから実用例がない(軍事的応用を除く).
講義に使うため,核融合を使っている例を
ネット上で探してみると,

・ 映画"Back to the Future"のデロリアンの動力源
・ 「スパイダーマン2」のタコ博士の動力源
・ 「機動戦士ガンダム」の動力源
・ 「鉄腕アトム」の動力源
・ "Star Trek"などなど

結局,SFの中でしか出てこない.
まぁ,現在研究開発中の技術なのだから仕方がない.
ただ多くの人が,未来のエネルギーは
核融合だと思っているということは
良くわかった.

地球上だけでなく,
宇宙でも人類が活躍するころには,
たぶん核融合が主力なのだろう.
その未来のために,
多くの学生たちに核融合に興味をもって
もらいたいと願っている.

■世界の核融合のリンク
日本原子力研究開発機構(JAEA) 核融合研究開発部門 (トカマク)
http://www.naka.jaea.go.jp/

自然科学研究機構 核融合科学研究所(NIFS) (ヘリカル)
http://www.nifs.ac.jp/index-j.html

ITER機構(トカマク)
http://www.iter.org/

EFDA JET (欧州共同体)(トカマク)
http://www.jet.efda.org/

KSTAR (韓国)(トカマク)
http://fusion.gat.com/global/KSTAR

EAST (中国)(トカマク)
http://www.ipp.ac.cn/ENGLISH/research/EASTmain.htm

SST1 (インド)(トカマク)
http://www.ipr.res.in/sst1/SST-1.html

ASDEX,WENDELSTEIN 7-AS (欧州)(トカマク,ステラレータ)
http://www.ipp.mpg.de/eng/index.html

*核融合科学研究所ホームページ内のQ&Aのコーナーには,「ガンダムのエンジンに核融合炉が積まれているけれど,それが可能か」などという一般の方からの質問への回答が載っています.SF好きの方はどうぞ.


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